赤の他人

赤という色から連想するイメージといえば、情熱であったり、怒りであったり。

いずれにしてもとても強い色という印象があります。

そんな赤はときどき「あの人は赤の他人だ」のように慣用表現の中に姿を表すことがあります。

なぜ青の他人や白の他人ではなく、赤の他人と呼ばれるのでしょう?

辞書には次のような語義がのっていました。

あか【赤】

〔多く接頭語的に〕それ以外の何物でもないことを表す。「ー〔全く〕の他人/ー恥・ー裸」

「新明解国語辞典 第七版」

赤の他人などと言うときの赤は強調の接頭辞として使われています。

上記語義の用例にものっている「赤っ恥」や「真っ赤な嘘」なども同じような使い方。

一つ気になるのはどれもネガティブな意味ばかりで、ポジティブな意味で使われている例が見つからないということ。

他人・恥・嘘のようにもともとネガティブな意味合いの単語に付いているので当然と言えば当然なのですが、一つくらいポジティブな表現はないものでしょうか。

例えば、赤の真実とか赤の勇気のような表現が見つからないのは、ちょっと不思議な感じもします。

 
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