フィンランド語学習記 vol.367 − 受動現在形の使い方

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最近のフィンランド語教室では受動現在形を扱っています。
受動形と言うと、英語の受動態を思い浮かべる人も多いと思うのですが、フィンランド語の受動形は英語のそれとはかなり異なっているようです。
ここでは「話す」を意味する動詞 puhua の受動現在形である puhutaan を例に、実際の使い方を見ていきましょう。
1)主語のない文
*puhua(話す)
この文にはいわゆる主語に当たる単語がありません。
冒頭に来ている Suomessa は「フィンランドでは」という場所を表し、動詞の部分が puhutaan という受動形になっています。
この文を「フィンランドではフィンランド語が話されています」と英語の受動態らしく訳すこともできますが、「フィンランド語」に当たる suomea はあくまで目的語(=分格)の形になっているので「フィンランドではフィンランド語を話します」と訳した方がわかりやすいようです。
この構造は日本語によく似ていますね。
2)「〜しましょう」の文
フィンランド語の受動現在形は「〜しましょう」という意味でも使います。
この使い方は受動形という名称からはあまり連想できませんが、日常会話ではよく使う用法なのだそうです。
そういえばフィンランド語を習いたての頃に聞いたこんな表現もありました。
3)「私たちは」の文(話し言葉)
フィンランド語の話し言葉では、主語が me(私たちは)のときに受動現在形が使われます。
これまでに習った文法では、
という形になっていました。
しかし実際の日常会話では puhutaan を使うケースが圧倒的に多いのだそうです。
以上、今回はフィンランド語の受動現在形の三つの用法をまとめてみました。
明日のエントリーでは受動現在形の作り方を見ていきたいと思います。