10万年前の人類と10万年後の人類

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中学や高校の歴史の教科書というのは、たいてい原始時代から始まります。
学生の頃は、そのあたりの内容にはあまり興味がなく、早くもっと面白い時代に入らないかなと思っていたような気がします。
しかしこの前たまたま中学の歴史教科書をめくっていたら、冒頭の人類のはじまりという章が面白く、すっかり惹き付けられてしまいました。
それによると、人類の進化の過程が次のように描かれています。
400万年前〜100万年前 | 猿人 | アウストラロピテクス |
160万年前〜25万年前 | 原人 | ペキン原人など |
30万年前〜5万年前 | 旧人 | ネアンデルタール人など |
10万年前または5万年前〜 | 新人 | クロマニョン人など |
ここに出てくる100万年・10万年というスケールと、現在の私たちが意識している歴史のスケールの間にあまりにも大きなギャップがあることに驚きを禁じ得ません。
歴史教科書の大半はこの数千年に起こった出来事の記述に終始しますし、私たちが人の歴史を考えるときに10万年・100万年という単位で何かを考える機会というのはあまりありません。
最近で言えば、原子力発電の結果生み出される放射性廃棄物を安全に処理するためには10万年の歳月が必要という議論を聞いたときに、その現実味について考えたくらいでしょうか。
約60,000年前にアフリカを出て、世界の各地へと向かった私たちの祖先はいったい何を求めていたのでしょう?
私たちはどこから来てどこへ向かうのか?という問いを考えるときに、普段使っているものさしよりも一つ大きな単位のものさしを使ってみることも大切なのかもしれない、そんなことを考えました。