スウェディッシュ・ラウンディング (Swedish rounding)

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その昔、 ニュージーランドに滞在していたときの話。
例えば、スーパーマーケットで4ドル99セントのクッキーを買いたいとき、
クッキーをレジへ持って行って、財布から5ドル札を出し、クッキーとお釣りを受け取って、、、と思いきや、お釣りが出てくることはありません。
それもそのはず、ニュージーランドには1セント硬貨が存在しないのです。
そのため当時のニュージーランドでは、スウェディッシュ・ラウンディング(Swedish rounding)という端数処理の方法が採用されていました。
名前からわかるとおり、もともとはスウェーデンで採用されていた方法なのだそう。
この方法では下一ケタが8、9、0、1、2のときは「0」になり、3、4、5、6、7のときは「5」になります。
4.90 | → | 4.90 |
4.91 | → | 4.90 |
4.92 | → | 4.90 |
4.93 | → | 4.95 |
4.94 | → | 4.95 |
4.95 | → | 4.95 |
4.96 | → | 4.95 |
4.97 | → | 4.95 |
4.98 | → | 5.00 |
4.99 | → | 5.00 |
5.00 | → | 5.00 |
つまり4ドル99セントのクッキーは5ドルになりますが、4ドル97セントのクッキーは4ドル95セントになるので、5セントのお釣りが出ます。
下一ケタを「0」に揃えるのが四捨五入なら、下一ケタを「0」か「5」に揃えるのがスウェディッシュ・ラウンディングということになります。
この方式は1990年に1セント硬貨、2セント硬貨が廃止されたことによって始まり、2006年に5セント硬貨が廃止されたことによって終わりました。
きちんと説明されれば、理にかなった方法であるということはわかるのですが、慣れるまでは何だか不思議な感じのするルールです。
もし日本でも同じように1円玉を廃止するということになったら、、、
大きな問題はないような気もしますが、何事にも細かい日本人のメンタリティとは相容れないのかもしれません。
まあ1円単位のことはいいじゃないか、というおおらかな感覚も素敵だなとは思うのですが。