univocalic

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人間というのは、完全な自由が与えられると逆に何をやったらよいかわからなくなる。むしろ制約の中でこそ創造性を発揮できる。

そんな意見に頷く人は多いでしょう。

それでは、これを文章を書くという行為に当てはめてみたらどうなるでしょうか?

実際、詩のような創作形式においては、表現に制約を与えるのが一般的。韻を踏む(rhyme)というのもその一つでしょう。

ここで紹介するのは、より過激な constrained writing と呼ばれる手法。

1890年に C.C.Bombaugh という人の書いた詩の一節は次のようなものでした。

No cool monsoons blow soft on Oxford dons,

Orthodox, jog-trot, bookworm Solomons!

おそらくお気付きのとおり、この詩には一種類の母音[o]しか使われていません。

このような手法は univocalic と呼ばれているそうです。

日本語で言えば、お段(お、こ、そ、と、の、ほ、も、よ、ろ、を)のみを使うという感覚でしょうか。

ここまで来ると、意味のある文を作れるというだけですごい!と感心してしまいます。

。。。

ただ人の才能というのはわからないもの。この広い世界には、このような制約の中でこそ才能を開花させる人もいるのかもしれません。