『翻訳できない世界のことば』

今、世界には数千の言語があり、私たちはお互いを理解するために翻訳という手段に頼っています。

その技術はもちろん素晴らしいものだと思いますが、翻訳という過程でこぼれ落ちてしまうものがあることもまた事実。

そのこぼれ落ちてしまったものの中には、いったいどのような世界が広がっているのでしょう?

今回紹介する『翻訳できない世界のことば』という絵本では、世界中の言語から、他の言語に移し替えるのが難しい、独特の手触り・ニュアンスを持った単語を集めて紹介しています。

翻訳できない世界のことば

本書では北欧の言語も多く取り上げられています。

PORONKUSEMA

トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離

フィンランド語

解説によると poronkusema の距離は約7.5kmなのだそう。

この頃、ジョギングで4〜5kmくらい走っているので、もう少し頑張って poronkusema を目指してみようかと思いました。

また個人的に一番いいなあと思ったのは次の単語。

IKTSUARPOK

だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること。

イヌイット語

じわじわと心に染み入る素敵な表現。子供の頃にそんなことがあった訳でもないのですが、郷愁のようなものを感じます。

現代日本ならスマホでメールチェックといったところでしょうか?

この他、PISAN ZAPRA(バナナを食べるときの所要時間 マレー語)とか、COTISUELTO(シャツの裾を絶対ズボンの中に入れようとしない男の人 カリブ・スペイン語)のようにちょっと笑ってしまうような単語も収録されています。

ことばが好きな人なら、きっとお気に入りの一語を見つけられることでしょう。

また本書には日本語からも「KOMOREBI」「BOKETTO」「WABI-SABI」「TSUNDOKU」の4語が取り上げられています。

どのように定義されているのかは、、、ぜひ手に取って確認してみてください。

 

翻訳できない世界のことば
エラ・フランシス・サンダース
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