フィンランド語学習記 vol.391 − 形容詞の比較変化(3)

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昨日のエントリーに続いて、形容詞の比較表現について。
フィンランド語学習記 vol.389 − 形容詞の比較変化(1)
フィンランド語学習記 vol.390 − 形容詞の比較変化(2)
今回はちょっと変わった比較級・最上級の形を見ていきたいと思います。
その前に基本的な比較級・最上級の作り方をもう一度おさらいしておきましょう。
形容詞の比較級・最上級の作り方(規則変化)
形容詞の比較級・最上級を求めるための手順は以下のとおり。
suuri(大きい)→比較級
suuri | 1)単数語幹を求める | → | suure |
suure | 2)kpt の変化を伴う単語では弱形の語幹を使用 *今回は kpt の変化なし |
= | suure |
suure | 3)2音節の語では語末の[-a/-ä]が[e]に変化する *今回は語末が[-e]なのでそのまま |
= | suure |
suure | 4)語幹に比較級の印[-mpi]を付ける | → | suurempi |
suuri(大きい)→最上級
suuri | 1)単数語幹を求める | → | suure |
suure | 2)kpt の変化を伴う単語では弱形の語幹を使用 *今回は kpt の変化なし |
= | suure |
suure | 3ー1)語末の長母音は短母音に変化する 3ー2)語末の[-e][-a/-ä]は消える 3ー3)語末の[-i][-ii]は[-e]に変化する *今回は(3ー2)のルールを適用 |
→ | suur |
suur | 4)語幹に[-in]を付ける | → | suurin |
結果として、suuri(大きい)の比較級・最上級は次のような形になります。
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
suuri(大きい) | suurempi | suurin |
形容詞の比較級・最上級の作り方(不規則変化)
Every rule has its exceptions.(規則あれば例外あり)という訳で、どのような規則にも例外は存在します。
英語の比較級・最上級にも、いわゆる不規則変化というものがありました。
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
good(良い) | better | best |
bad(悪い) | worse | worst |
many(多くの) | more | most |
little(少しの) | less | least |
それではフィンランド語の場合はどうなのでしょう?
調べてみると、フィンランド語の比較級・最上級にもいくつかの不規則変化があるようです。
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
hyvä(良い) | parempi | paras parhain |
lyhyt(短い) | lyhyempi lyhempi |
luhyin lyhin |
pitkä(長い) | pitempi | pisin |
uusi(新しい) | uudempi | uusin |
こうしてみると、hyvä – parempi – paras(parhain)の変化だけがずいぶん独特な印象。
その他はちょっとした誤差(?)のような気もします。
とはいえ、杓子定規にもとのルールを当てはめることはできないので、これらの形はそのまま覚えるしかありません。
ただいかにも比較変化で使いそうな単語ばかりなので、おそらく使っているうちに自然と馴染んでくるのではないでしょうか。(楽観的?)
続いて明日のエントリーでは、比較級・最上級の格変化を見ていきたいと思います。