「煮る」と「茹でる」の違いとは?
帰省先から戻ってくる新幹線の中で、玉村豊男さんの『男子厨房学入門』という本を読んでいました。
その中に、玉村さんがメニューを考えるときには「肉か魚か」「和か洋か中か」「煮るか、茹でるか、焼くか、炒めるか、あげるか、蒸すか、ナマのまま食べるか」という3つの段階で考えるという話が出ていました。
なるほどと思いつつ、一つ疑問に思ったのは、
「煮る」と「茹でる」は何が違うのだろう?
ということ。
「味噌汁を煮る」「卵を茹でる」のように言葉としては使い分けるものの、実際にやっていることは同じなのでは?と思ってしまったのです。
そこでいつものように辞書の語義から見てみることにしました。
にる【煮る】
液体の中へ入れ、熱を通して柔らかく(どろどろに)する。〔狭義では、食品について言い、それに味をつけるまでをも指す〕
「新明解国語辞典 第七版」
ゆでる【茹でる】
熱湯の中へしばらく入れて煮る。うでる。
「新明解国語辞典 第七版」
これだけだとわかりにくいのですが、いろいろ調べてみるとキーワードは「味付け」であることがわかりました。
つまり、味付けをしないのが「茹でる」、味付けをするのが「煮る」という使い分け。
ただし野菜などの「塩茹で」という表現からもわかるように、茹でるの方も塩だけは追加することがあるようです。
英語ではどちらも boil としか表せないので、日本語ならではの繊細な表現と言えるのかもしれません。
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