ポーランド語とフィンランド語のアルファベット順の違いについて
ポーランド旅行のおみやげに買ってきた英語・ポーランド語辞書を眺めていて気付いたことを一つ。
まずはポーランド語とフィンランド語のアルファベットを並べてみましょう。
ポーランド語 | a ą b c ć d e ę f g h i j k l ł m n ń o ó p r s ś t u w y z ź ż |
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フィンランド語 | a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z å ä ö |
ポーランド語のアルファベットは32文字、フィンランド語のアルファベットは29文字。
この両言語の「アルファベット順」には一つ大きな違いがあります。
それはダイアクリティカルマーク付き文字(ą ć ę ł ń ó ś ź ż å ä ö)の場所。
ポーランド語では[a ą][s ś]という順番で並べているのに対して、フィンランド語では[å ä ö]をまとめて最後に置いています。
このルールは辞書の単語の配列にも反映されています。
ポーランド語の辞書で śniadanie(朝食)という単語を引きたければ、[s]のすぐ後にある[ś]の項を探します。
一方、フィンランド語の辞書で äiti(お母さん)という単語を引きたければ、[a]のすぐ後ではなく、巻末近くにある[ä]の項を探さなければなりません。
正直、フィンランド語のこの感覚にはいつまでたっても慣れることがありません。
実際のところ、フィンランド語で一文字目に[ä ö]が来る単語は少ないのですが、二文字目以降に[ä ö]が来る単語は多いです。
例えば käsi(手)という単語を引きたいとき、
うっかり ka と探しそうになって「違う! kä だから ky の後だ!」などということは日常茶飯事。
ポーランド語の辞書でも同じ問題は起こると思いますが、フィンランド語の[a]と[ä]ほど距離が離れていないので、目当ての単語に辿り着きやすいのではないかと想像します。
たかがアルファベット順、されどアルファベット順。なかなか奥深い問題です。
9月 25, 2016 @ 10:27:07
もう少し正確に言うと純然たるフィンランド語のアルファベットは,21字です。
この他に外来語からの借用語や外国の固有名詞を表す文字が7字あり,28字がフィンランド語で使われるアルファベットです。
å(オー)は,スウェーデン語のみに使い,フィンランド語では使いません。
なぜ使われない å がアルファベット表に入っているかというと,フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語の2カ国語です。「フィンランド公用語のアルファベット」といった時に29字となります。
現代では Š(sh)Ž(zh)も加えて31文字とすることもあります。
フィンランド語四週間,https://fi.wikipedia.org/wiki/Suomen_kielen_aakkoset 参照
10月 03, 2016 @ 01:08:25
Jussiさん
情報ありがとうございます。Š と Ž というのは初めて見ました。そんな文字もあるんですね。
正書法を定める時に綴りと発音を一対一対応にしようとすれば、その分必要なアルファベットも増えますよね。だとすると文字を増やせば発音はわかりやすい、でも文字が多いので面倒。文字を減らせば発音はわかりにくい、でも文字は少ないので簡単(?)ということになるのでしょうか。バランスが難しいですね。