クシシュトフ・キェシロフスキ監督のこと

photo credit: red via photopin (license)

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今回のポーランド旅行ではポーランド航空の直行便を利用しました。

直行便とはいえ10時間以上の長旅なので、機内の時間をどうやり過ごすかは大きな問題です。

映画は何があるのかな?と思い、シートの個人用モニターをいじっていると、ハリウッド映画や邦画と並んでポーランド映画のコーナーがありました。

その中に、10年以上前に観た懐かしい映画のタイトル『ふたりのベロニカ』と『トリコロール/赤の愛』を見つけたので、もう一度観てみることに。

ただしこれらの映画はポーランド語ができる人を想定しているらしく、英語の字幕が付いていません。

『ふたりのベロニカ』はポーランドとフランスが舞台なので、ポーランドの場面では字幕なし、フランスの場面ではポーランド語の字幕が付いています。

『トリコロール/赤の愛』はフランスが舞台なので、ポーランド語の字幕が付いています。

私にはフランス語の知識もポーランド語の知識もありませんが、一度観てストーリーを知っている映画ということもあり、それぞれの言語の響きや字幕の文字を味わいながら楽しむことができました。

挨拶などの基本的な表現であっても、映画の中のポーランド語が理解できたときには「やった!」という気持ちになります。

どちらの作品も監督はポーランド人のクシシュトフ・キェシロフスキ。ただフランスの資本が入っているので、(特にフランス政府の依頼で作られた『トリコロール』の方は)フランス映画と言えないこともありません。

キェシロフスキは自分が一番映画に熱中していた90年代に大好きだった監督の一人。

ただこの『トリコロール/赤の愛』を発表してから、ほどなく心臓発作で亡くなってしまいました。

当時まだ50歳台で、世界的に名前を知られるようになってきたタイミングだったので、あれは本当に悲しいニュースでした。

正直ポーランドに行こうと思い立ったときには、キェシロフスキのことは頭になかったのですが、ポーランド航空の機内で思いがけず昔の友人に再会したという感じ。

今年の秋は久しぶりに映画をたくさん観ようかなという気持ちになっています。