ひとりひとり

16100601

パソコンで文章を書いているときに、ある単語を漢字で表記するべきか、ひらがなで表記するべきか、迷うことはありませんか。

ワープロソフトの漢字変換機能はもちろん便利なものではありますが、何から何まで変換してしまえば、

有り難う(ありがとう)
吃驚(びっくり)
勿論(もちろん)

などの表記が頻出するカチカチの文章になってしまいます。

よって文章を書くときには、誰もがその人なりのガイドラインに沿って「どこまで変換するか」を判断しているのだと思います。

私が先日、扱いに迷ったのは「ひとりひとり」という表現。

「一人一人」と漢字で書くべきか、「ひとりひとり」とひらがなで書くべきか、あるいは「一人ひとり」のように漢字+かなで書くべきか。

もちろんこの選択には文脈との関わりもあって、

私たち一人一人が自覚を持って、この問題に対処しなければならない。

などと言うときには「一人一人」がふさわしいような気がしますし、

子供たちひとりひとりの個性を大切に。

などと言うときには「ひとりひとり」あるいは「一人ひとり」がふさわしいような気がします。

もちろんこの問題に正解はないので、ケースバイケースで適切な表記を探っていくことになるのでしょう。

その際の判断基準は?と聞かれても、明確に説明するのは難しいような気がします。意識の奥の奥の方で、言葉を紡ぐ小人たちが合議で決めているような感覚でしょうか。