「にこにこ」と「にやにや」の違いとは? −『日本語擬態語辞典』を読んでみる

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「にこにこ笑っている」と「にやにや笑っている」の違いは何ですか?

もし日本語を学んでいる人からそのように聞かれたら、いったいどのように答えたらよいのでしょう?

日本語というのは世界でも類を見ないオノマトペの豊かな言語。

そんな日本語のオノマトペを扱った楽しい本を読んだので、紹介してみたいと思います。

日本語擬態語辞典 (講談社+α文庫)

本書『日本語擬態語辞典』は日本語のオノマトペを日本語と英語の二か国語で解説し、そこに絵本作家・五味太郎さんの楽しいイラストを添えた一冊。

例えば、さきほどの「にこにこ」と「にやにや」は次のように説明されています。

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niko niko

Describes someone smiling happily. All smiles.

にこにこ

うれしそうにほほえむさま。

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niya niya

Describes smiling in a a faint, meaningful manner. Grinning.

にやにや

意味ありげに薄笑いする様子。

 

英語と日本語の説明も「なるほど」と思うのですが、やはりこの本の真骨頂は五味太郎さんのイラスト。

言葉で説明するのが難しい表現でも、たった一枚のイラストでニュアンスがすっと頭に入ってきます。

そういう意味では日本語を外国語として学んでいる人に特におすすめしたい一冊です。

それにしても、これだけのオノマトペを無意識に使い分けている日本語ネイティブの頭の中というのはいったいどうなっているのだろう?と自分のことながら不思議な気持ちになりました。

日本語の奥深さ、言語の深淵に触れることのできる一冊でもあります。

なお個人的に一番インパクトがあったのはこのページ。びんびん伝わってきます。

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uja uja

Describes many small things gathered together and moving, such as a swarm of insects or a crowd of people seen from a distance.

うじゃうじゃ

小さな虫などがたくさん集まってうごめいているさま。

 

日本語擬態語辞典 (講談社+α文庫)
五味 太郎
講談社
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