「はぐ」と「むく」の違いとは?

今日は「はぐ」と「むく」の違いについて考えてみたいと思います。

はぐ【剝ぐ】

  1. 皮をはがす。
  2. 身につけているものや表面にあるものをとりさる。
  3. とりあげる。うばう。

「角川必携国語辞典」

むく【剝く】

外側をおおっているものをはがしとる。

「角川必携国語辞典」

「はぐ」も「むく」も漢字で書くと同じ「剝」という字を使うんですね。

この語義を見る限り、漢字だけでなく意味も重なっているように思います。

ただし次のような言い方には、違和感を感じる人が多いでしょう。

りんごの皮をはぐ。
動物の皮をむく。

違和感を感じるということは、やはり「はぐ」と「むく」には何らかの違いがあるということ。

さきほどの『角川必携国語辞典』には次のような使い分けがのっていました。

はぐ」は、「取る皮」を利用するための行為。「うさぎの皮をはぐ」。「むく」は、おおっているものをとり除いて残るなかみに目的がある。「みかんの皮をむく」。

「角川必携国語辞典」

なるほど! はぐは皮の方、むくは中身の方が大切だということなんですね。これは納得。

英語で表現すればどちらも peel になってしまうので、これも日本語の細やかさの一つなのでしょうか。

 
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