「はぐ」と「むく」の違いとは?

photo credit: Didriks Kyocera Ceramic Peelers on Epicurean Recycled Plastic Cutting Board via photopin (license)
今日は「はぐ」と「むく」の違いについて考えてみたいと思います。
はぐ【剝ぐ】
- 皮をはがす。
- 身につけているものや表面にあるものをとりさる。
- とりあげる。うばう。
「角川必携国語辞典」
むく【剝く】
外側をおおっているものをはがしとる。
「角川必携国語辞典」
「はぐ」も「むく」も漢字で書くと同じ「剝」という字を使うんですね。
この語義を見る限り、漢字だけでなく意味も重なっているように思います。
ただし次のような言い方には、違和感を感じる人が多いでしょう。
りんごの皮をはぐ。
動物の皮をむく。
動物の皮をむく。
違和感を感じるということは、やはり「はぐ」と「むく」には何らかの違いがあるということ。
さきほどの『角川必携国語辞典』には次のような使い分けがのっていました。
「はぐ」は、「取る皮」を利用するための行為。「うさぎの皮をはぐ」。「むく」は、おおっているものをとり除いて残るなかみに目的がある。「みかんの皮をむく」。
「角川必携国語辞典」
なるほど! はぐは皮の方、むくは中身の方が大切だということなんですね。これは納得。
英語で表現すればどちらも peel になってしまうので、これも日本語の細やかさの一つなのでしょうか。
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