destiny と fate の違いとは?

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photo credit: subarcticmike Alex Akpik’s Owl via photopin (license)

どちらも「運命」を意味する英単語 destiny と fate の違いとは何でしょう?

まずは OALD の定義から。

destiny

[countable] what happens to somebody or what will happen to them in the future, especially things that they cannot change or avoid

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

fate

[countable] the things, especially bad things, that will happen or have happened to somebody/something

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

よく似た語義ではありますが、fate の方には especially bad things(特に悪いこと)という文言が付加されています。

言われてみれば、たしかに destiny より fate の方が「悪い」イメージがあるような気も。

ランダムハウスには次のような説明が出ていました。

fate 事の成り行きが、不条理で、人為的にはどうにもならないことを強調

destiny 事の成り行きの変更不能を強調、しばしばよい運命について用いる

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

なるほど。destiny はよい運命についても用いるんですね。ただ「destiny=よい」「fate=悪い」という図式で終わらせてしまうのはあまりにも単純なように思います。

この使い分けについて、手元の本に面白い定義が書いてあったので、少々長いですが引用してみます。

一般に destiny と fate は言い換え可能と見なされており、文学では多くの場合、同じように用いられていますが、実はニュアンスがわずかに異なります。destiny は「ある人の決断の結果として起こる、あらかじめ定められた出来事」、fate は「ある人が決断してもしなくても生じる、あらかじめ定められた出来事」。つまり、私たちは destiny に対しては責任がありますが、fate に対してはそれをどうすることもできないのです。

『世界文学の名言』(IBCパブリッシング)より

「destiny=責任があるもの」「fate=どうすることもできないもの」という説明はユニークですね。

この説明が100%正しいかどうかはわかりませんが、運命という言葉を使うときに、私たちに責任があるのか、どうすることもできなかったのかをきちんと区別しておくのは大切なことだと思います。

destiny と fate という二つの単語があるのはそのためなのではないか?と想像してしまったり。。。言語の奥深さを感じます。

 
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