新しい Google 翻訳に触れる(2)

16112201

数日前のエントリーで、ニューラルネットによる機械翻訳(Neural Machine Translation)を取り入れた新しい Google 翻訳の話題に触れました。

新しい Google 翻訳に触れる

今回は二つの異なるタイプの英文を日本語に訳してみたいと思います。まずはアメリカの作家クリス・ギレボーのエッセイから。

My motivation is to help people challenge authority and live unconventional, remarkable lives. The mission is to support a full-scale revolution with a simple underlying message: You don’t have to live your life the way other people expect you to.

Chris Guillebeau 『The Art of Non-Conformity』

Google 翻訳の和訳結果がこちら。

私のモチベーションは、人々が権威に挑戦し、慣習的で驚異的な生活を送るのを助けることです。 使命は、単純な根底にあるメッセージで本格的な革命を支援することです。他の人々の期待どおりの生活を送る必要はありません。

翻訳の精度はやはりなかなかのもの。特に最後の一文は、主語を省略することで自然な日本語を生み出しています。

唯一の問題点は、unconventional(=慣習に従わない)がどういうわけか真逆の意味に訳されているところでしょうか。「慣習的で驚異的な生活」というのも、何だか魅力的な響きではありますが。。。

また細かい点としては、最後の一文が直前の a simple underlying message の内容に当たるということを何らかの言葉を補って示すことができていれば、より完璧だったのではないかと思います。

それではこのようなエッセイよりもハードルが高いと思われる詩的な文章の場合はどうでしょう? 続いてはボブ・ディランの「My Back Pages」の歌詞から。

Crimson flames tied through my ears
Rollin’ high and mighty traps
Pounced with fire on flaming roads
Using ideas as my maps
“We’ll meet on edges, soon,” said I
Proud ‘neath heated brow
Ah, but I was so much older then
I’m younger than that now

Bob Dylan 「My Back Pages」

Google 翻訳の和訳結果がこちら。

私の耳にかかった炎の炎
Rollin ‘highとmighty traps
燃える道路に火を吹き込んだ
マイマップとしてのアイデアの使用
「私たちはすぐに縁で会います」と私は言った
誇らしげにした ‘
ああ、でも私はとても年上でした
私は今よりも若い

さすがにこのレベルの文はまだまだという感じ。

そもそも詩的な文の場合は、多様な解釈ができることもあるため、その処理をどうするかという問題があります。(e.g., We’ll meet on edges.)

ただこの曲の要であり、英文としては比較的シンプルな最後の二行がきちんと訳せていないのは、まだまだ経験不足(?)なのかと。

上記の「私は今よりも若い」という訳文では ‘I’m younger than that now.’ の that が配慮されていないので、正しくは「私は今、あのときよりも若い」としなければなりません。

 

以上、今回は新しい Google 翻訳を使って二つの異なるタイプの英語の文を日本語に訳してみました。

言語や語学が好きな人にとっては、ある意味、最高のおもちゃでもある Google 翻訳。また何か新しい発見があったら書いてみたいと思います。