ペチカ
1月に入り、寒い日が続いています。
昨日のエントリーでは冬の厳しい寒さを意味する「冬将軍」という表現について書きました。
今回はこの冬を乗り切るために、ぽかぽかと暖まりそうな曲を一つ。
「ペチカ」は作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰による日本の唱歌。
「ペチカ」は国語辞書にのっている数少ないロシア語の一つでもあります。
ペチカ〔ロ pechka〕
ロシア風の暖炉。れんが・粘土などで部屋の高さ一杯に築き、石炭をたく。ペーチカ。
「新明解国語辞典 第七版」
「◯チカ」の仲間としては「トーチカ」なんていう単語もありますね。
家に暖炉がなくても、この曲を聴いていると暖炉の暖かさが想像できるような気がします。
体も心もぽかぽかと暖めて、この冬を乗り切っていきましょう。
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1月 12, 2017 @ 20:11:14
Iltaa!
ペチカは,本体が耐火レンガで,その表面を陶器タイルで化粧しています。フィンランド語ではuuni,タイルを張ったものをkaakeliuuniと言います。
夏の終わり(8月中旬)に大量の薪を用意して,外気が通るようにドアを開け放って火をつけます。室内は窓枠と窓との隙間を(冷たい外気が入らぬよう)窓テープ(ikkunapaperiという紙テープ)で完全密閉しているので,酸欠にならぬようドアを開け放しておきます。
朝からガンガン燃やして,耐火レンガを暖め,夕方頃には温まったレンガから暖かい輻射熱が部屋中に広がります。そうしたら火を落して,煙突からの冷気が逆流しないよう2本の棒(ダンパー)を操作して煙の道を閉じておきます(完全に閉じずに,ほんの少し開けておきます,その調整が微妙で,コツを覚えるのに何度か経験が必要です)。
そしてその後は,1日1回,一抱えほどの薪を燃やしてレンガに熱を追加すると一晩中,室内で半袖で過ごすことができます。
ダンパーは,2本の棒の先が鉄の板状になっていて,煙道を開閉するバルブの役目をします。この適切な操作が難しく,開け放っておくと冷気が逆流して寒くなり,完全に閉じてしまうと残り火が不完全燃焼を起こし,一酸化炭素中毒になって死に至る事故があります。
毎日1回追い炊きする生活を冬から春まで続け,追い炊きしなくなるのは,夏至過ぎです。従って10ヶ月~10ヶ月半,焚き続けることになり,なかなか歌のように暖かく,楽しい暖房ではありません。また,1年分の薪を割ってストックしておくのも重労働です。
よくペチカの歌が載っている絵本で,マントルピースの絵が描かれているものがあります。これは日本人の誤りです。マントルピースは焚火と同じ,直火の熱を利用したもので,ペチカとは異なります。
ペチカの写真はこちら。
http://www9.plala.or.jp/Jussih/puutalot/kaakeli-uuni.htm
暖房・厨房器具と家屋の発達(フィンランドの場合)はこちら。
http://www9.plala.or.jp/Jussih/puutalot/talot.htm
1月 13, 2017 @ 21:45:03
Jussiさん
暖炉と聞くと何となく憧れてしまいますが、10か月も続く日常になってしまうと大変なんでしょうね。でも一度くらいは経験してみたいような気もします。
ロシアやフィンランドのような気候だと、一般的な暖房器具では太刀打ちできないという感じでしょうか。
1月 14, 2017 @ 09:14:59
whitebearさん
私はもう二度と経験したくない暖房です。南から来た外国人(私)には,薪を燃やす技術さえまともに出来ず,しばしば部屋中,煙を充満させていました。
今では家庭用のセントラルヒーティングや電気ヒーターがありますので私が経験したペチカ(kaakeliuuni)は,もう昔話になっているでしょう。
暖房器具の充実もさることながら,40㎝の厚さの床・壁・天井の断熱材や3重窓で囲われた室内は,半袖で生活できる快適空間です。
(先週1月5日,Muonioでは-41.7℃だったそうです。)