フィンランド語学習記 vol.470 − 副詞の比較変化(3)

17052001

昨日のエントリーに続いて、副詞の比較表現について。

フィンランド語学習記 vol.468 − 副詞の比較変化(1)

フィンランド語学習記 vol.469 − 副詞の比較変化(2)

今回はちょっと変わった比較級・最上級の形を見ていきたいと思います。

「変わった」というのは、英語の good – better – best に当たるような不規則変化のこと。

副詞に入る前に、まずは形容詞の不規則変化をもう一度おさらいしておきましょう。

 

形容詞の比較級・最上級の作り方(不規則変化)

形容詞の不規則変化には次のようなものがありました。

原級 比較級 最上級
hyvä(良い) parempi paras
parhain
lyhyt(短い) lyhyempi
lyhempi
luhyin
lyhin
pitkä(長い) pitempi pisin
uusi(新しい) uudempi uusin

 

一番特殊な例は hyvä – parempi – paras(parhain)の変化。これはそのまま覚えるしかなさそうです。

それ以外の単語は基本ルールから少し外れているだけなのですが、案外そういう単語の方が間違えやすいのかもしれません。

では続いて副詞の不規則変化を見ていきましょう。

 

副詞の比較級・最上級の作り方(不規則変化)

フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』には副詞の不規則変化の例として下記の単語が挙げられていました。

原級 比較級 最上級
hyvin(良く、うまく) paremmin parhaiten
parhaimmin
kauan(長い間) kauemmin kauimmin
aikaisin(早く) aikaisemmin aikaisimmin
myöhään(遅く) myöhemmin myöhimmin
harvoin(まれに) harvemmin harvimmin
usein(しばしば) useammin useimmin
paljon(多く) enemmän eniten
vähän(少なく) vähemmän vähiten

 

これらの単語はそもそも原級が[-sti]の形ではないので、形容詞の比較級・最上級をもとに副詞の比較級・最上級を作ることはできません。

ただし hyvin と hyvä は次のような関係になっています。

原級 比較級 最上級① 最上級②
形容詞 hyvä parempi paras parhain
副詞 hyvin paremmin parhaiten parhaimmin

 

副詞の比較級・最上級を作るときのルールは、

  • 副詞の比較級は形容詞の比較級語尾[-mpi]を[-mmin]に変える
  • 副詞の最上級は形容詞の最上級語尾[-in]を[-immin]に変える

ということでしたから、さきほどの表の矢印の部分はルール通りということになります。

副詞の場合は例外的な変化を伴う単語の数が多いので、まずは使用頻度が高い単語から少しずつ覚えていくのがよさそうです。

なお形容詞の比較級・最上級にはさらにそこから格変化をするというステップがありましたが、副詞はそもそも格変化をしないため、副詞の比較級・最上級も格変化をすることはありません。

「ほっ」とした人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。