フィンランド語学習記 vol.30 − 単語の辞書形がわからないときは Wiktionary を使うという手もあり

フィンランド語クラスで扱う内容もだんだんと難しくなってきました。

そのため最近はあらかじめ新出単語の意味を押さえておくようにしています。これだけで理解がかなり違ってきます。

しかし単語の意味を調べるときに困るのは、フィンランド語は語形変化が豊富なので、もとの形(辞書形)がしばしば見えなくなるということ。

先日のエントリーでも触れましたが、pojat(少年たち)という単語が出てきたときに、poika(少年)という辞書形を連想するのはなかなか難しいものがあります。(新出単語であればなおのこと)

フィンランド語学習記 vol.27 − ふたたび複数形、そしてその先へ | Fragments

英語の辞書に boys がのっていないのと同様、フィンランド語の辞書に pojat はのっていません。

そこで辞書の[p-o-]のあたりをウロウロすることになるのですが、そこで辞書形の poika を見つけたとしても、そもそもそれを pojat と結びつけるための材料がありません。

(もちろんフィンランド語の格変化ルールをきちんと押さえていれば大丈夫なのではありますが。。。)

そんな訳で、先日もある単語の辞書形がわからず、辞書や文法書をあれこれ開いて格闘していました。しかしそのときふっとひらめいたのです。Wiktionary で調べることができるのではないか?ということに。

このブログでも何度か言及している Wiktionary はオープンソースのオンライン辞書で、Wikipedia の辞書版と考えてもらうとわかりやすいでしょう。

これは Wiktionary(英語版)のトップページです。ここで言う英語版というのは、語義を英語で表示するという意味であって、検索窓には何語を入力してもかまいません。

その単語がデータベースにあれば、自動的に言語を判別して意味を表示してくれます。また、ある単語のつづりが複数の言語で使われている場合は、それらもすべて表示してくれます。

現在、収録語数が圧倒的に豊富なのはやはり英語版で、現在3,000,000語以上の登録があるようです。日本語版はまだ100,000語以下ですので、フィンランド語のようなあまりメジャーでない言語を調べるのには使えません。

さて前置きが長くなりましたが、ここからが本題。

この Wiktionary の素晴らしいところは、フィンランド語の「辞書形」だけでなく、あらゆる「変化形」ものっているということ。

例えば、先述の pojat を検索してみると、このとおり Plural form of poika(poika の複数形)と出てきます。

poika の部分がリンクになっていますので、そこをクリックすると、poikaのページに移動します。

ここでは語義だけでなく、発音、語形変化、派生語、複合語、語源、アナグラム(!)など様々な項目を見ることができます。せっかくなので、その長いスクリーンショットをご覧ください。

語形変化の一覧を見るには、中程の declension というパートより、右端の[show]というタグをクリックします。(↓)

[show]をクリックすると、こんな感じに展開します。(↓)

電子(オンライン)辞書と紙の辞書というのは、相補的な役割があり、どちらかがどちらかに取って代わることはできないと考えていますが、とりあえず単語の辞書形がわからないときには、Wiktionary は非常に便利なツールです。ぜひ利用してみてください。

Wiktionary, the free dictionary