フィンランド語学習記 vol.480 − ◯◯より
きのうも取り上げたこちらのスキットから、文法のポイントをもう一つ。
Vanhempani ovat sitä mieltä, että ennen kaikki oli paremmin kuin nyt. Heidän mielestään heidän nuoruudessaan elettiin nykyistä rauhallisemmin ja tasapainoisemmin.
(私の両親の考えでは、昔は全てが今よりもよかった。彼らの考えでは、彼らの若い頃には今よりも平和に平等に暮らしていた。)
(私の両親の考えでは、昔は全てが今よりもよかった。彼らの考えでは、彼らの若い頃には今よりも平和に平等に暮らしていた。)
「今より」に当たる部分が一つ目の文では kuin nyt という形になっているのに対して、二つ目の文では nykyistä という形になっています。
比較表現において、「◯◯より」という意味を表すには「kuin+◯◯」を使って表す方法と「◯◯の分格」を使って表す方法がありました。以前のエントリーから用例を抜き出してみましょう。
Ruotsi on suurempi kuin Suomi.
(スウェーデンはフィンランドより大きい。)Ruotsi on Suomea suurempi.
(スウェーデンはフィンランドより大きい。)
kuin Suomi の Suomi は名詞。よって Suomi → Suomea と分格の形を作ることできます。
主格 | Suomi |
---|---|
↓ | |
分格 | Suomea |
しかし冒頭のスキットに出てくる kuin nyt の nyt は副詞。副詞には格変化がないため、分格の形を作ることができません。
そこでこの場合は nykyinen(今の)という形容詞の分格を代用することになります。
Ennen elettiin rauhallisemmin kuin nyt.
(昔は今よりも平和に暮らしていた。)
(昔は今よりも平和に暮らしていた。)
Ennen elettiin nykyistä rauhallisemmin.
(昔は今よりも平和に暮らしていた。)
主格 | nyt | nykyinen |
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↓ | ↓ | |
分格 | × | nykyistä |
話したり書いたりアウトプットの際には「kuin+◯◯」の方が簡単ではありますが、「◯◯の分格」の形にも少しずつ慣れていきたいと思います。