フィンランド語学習記 vol.480 − ◯◯より

17061501

きのうも取り上げたこちらのスキットから、文法のポイントをもう一つ。

Vanhempani ovat sitä mieltä, että ennen kaikki oli paremmin kuin nyt. Heidän mielestään heidän nuoruudessaan elettiin nykyistä rauhallisemmin ja tasapainoisemmin.
(私の両親の考えでは、昔は全てが今よりもよかった。彼らの考えでは、彼らの若い頃には今よりも平和に平等に暮らしていた。)

「今より」に当たる部分が一つ目の文では kuin nyt という形になっているのに対して、二つ目の文では nykyistä という形になっています。

比較表現において、「◯◯より」という意味を表すには「kuin+◯◯」を使って表す方法と「◯◯の分格」を使って表す方法がありました。以前のエントリーから用例を抜き出してみましょう。

Ruotsi on suurempi kuin Suomi.
(スウェーデンはフィンランドより大きい。)

Ruotsi on Suomea suurempi.
(スウェーデンはフィンランドより大きい。)

フィンランド語学習記 vol.390 − 形容詞の比較変化(2)

kuin Suomi の Suomi は名詞。よって Suomi → Suomea と分格の形を作ることできます。

主格 Suomi
分格 Suomea

 

しかし冒頭のスキットに出てくる kuin nyt の nyt は副詞。副詞には格変化がないため、分格の形を作ることができません。

そこでこの場合は nykyinen(今の)という形容詞の分格を代用することになります。

Ennen elettiin rauhallisemmin kuin nyt.
(昔は今よりも平和に暮らしていた。)

Ennen elettiin nykyistä rauhallisemmin.
(昔は今よりも平和に暮らしていた。)

主格 nyt nykyinen
分格 × nykyistä

 

話したり書いたりアウトプットの際には「kuin+◯◯」の方が簡単ではありますが、「◯◯の分格」の形にも少しずつ慣れていきたいと思います。