さまざまな music
この頃、ちょっとした隙間時間にイギリスの言語学者 David Cristal の『The Story of English in 100 Words』という本を読んでいます。
これは100個の英単語を取り上げて、その単語の歴史や裏側にある物語を100編のショートエッセイにまとめた本。
例えば music を取り上げた章では、この単語が英語の歴史において40通りもの綴りで書かれてきたという話が紹介されています。
本書で紹介されているそのバリエーションは次の通り。
- musiqe
- musyque
- musique
- musyk
- musik
- musike
- musice
- mysycque
- mewsycke
- musick
- musicke
- musickque
- moosick
- mwsick
- maisick
- masic
- meesic
- misic
こうして見ると、現在のスタンダードである music とはかけ離れたものもあれば、一歩間違えれば music の代わりにこちらがスタンダードになっていたかもしれないと思えるものまで、さまざまな綴り字が並んでいます。
そもそも music /ˈmjuːzɪk/ の /k/ という音を表すのに、現在の英語では c, k, ck あるいは que という文字を使うケースもあります。その中で c という文字が選ばれたのは必然なのか偶然なのか。
たった一つの単語にも、私たちの想像力が及ばないような、さまざまなドラマが隠されているのかもしれません。
The Story of English in 100 Words
posted with amazlet at 17.06.17
Profile Books (2011-10-13)