あの人は常識を知らなさそうだ。
先日、ある番組を見ていたら、出演者の人が「私にしゃべらさせてください!」と言っていました。
こういう日本語を聞くと「おー、さ入れ言葉だ」と嬉しくなってしまいます。
例えるなら、四つ葉のクローバーを見つけたときのような感覚でしょうか。
ところで、改めて「さ入れ言葉」の定義を辞書で確認していたときに、あれっ?と思ったことがあったのでここに取り上げてみたいと思います。
さいれことば[さ入れ言葉]
必要のない「さ」を入れた、俗な言い方。例、帰らさせていただきます(←帰らせていただきます)・言わなさそうだ(言わなそうだ)。
「三省堂国語辞典 第七版」
この三国の例を見て思ったのは、一つ目の「帰らさせていただきます」には確かに違和感を感じるものの、二つ目の「言わなさそうだ」にはあまり違和感を感じないということ。
いよいよ自分もさ入れ言葉に毒されてきたのでしょうか?
それでは「言わなさそうだ/言わなそうだ」によく似た次のような例はどうでしょう?
あの人は常識を知らなさそうだ。 | あの人は常識を知らなそうだ。 |
あの人は結婚できなさそうだ。 | あの人は結婚できなそうだ。 |
冷静に考えてみると、さのない方(右側)が正しいようにも思えますが、さのある方(左側)も間違いとまでは言い切れないような気がします。
みなさんはどのように感じられるでしょう?
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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