「複合語」と「分かち書き」の比較について

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フィンランド語では2つ以上の単語を組み合わせて長い単語をつくることがあり、これを「複合語」と呼んでいます。例えば次の例を見てみましょう。
katu(通り)
puisto + katu ⇒ puistokatu(公園通り)
こんなとき、puisto katu と分けて書いてもよさそうに思いますが、フィンランド語では puistokatu とつなげて書きます。
数字をアルファベットで書くときにも、どんどんつなげていきます。
kymmenen(10)
seitsemän + kymmenen + seitsemän ⇒ seitsemänkymmentäseitsemän(77)
英語であれば seventy seven と分けて書くため、ぱっと見たときに構成要素がわかりやすいのですが、フィンランド語ではどこに切れ目があるのか見極めるのが大変です。
これは外国語としてフィンランド語を学ぶ人にとっては、難しい仕組みだと思っていたのですが、よく考えてみると日本語では複合語だけでなく文全体をつなげて書くんですよね。(もちろん読点は入りますが。)
上記の「公園通り」にしても、外国語として日本語を学んでいる人から見れば「公園通り」で一語なのか、それとも複合語なのか、複合語だとしたら「公+園通り」「公園+通り」「公園通+り」のどこで切れるのか、語彙の知識をもとに判断しなければなりません。
一方 それ を 避ける ため 文 を 分けて 書け ば この ように なり ます。
これは読みにくい!と思ってしまうのだから、ずいぶんわがままなものです。
日本語でも、小学1年生の教科書などでは、上記のようないわゆる「分かち書き」がされていますが、すぐにつなげて書くようになります。
複合語レベルでも区切りがわからなくなることがあるのに、日本語を外国語として学んでいる人はいったいどうやって文から単語を取り出しているのでしょうか?
これは全く想像ができません。「漢字」と「かな」の配列が一つのヒントになるのでしょうが、漢字はそもそも初心者には読みこなせないという問題もあります。
とはいえ、こんなふうにすべてかなでかいてあるぶんしょうをよもうとしたら、くぎりがわかりにくくなるので、それはそれでたいへんなろうりょくになってしまいます。
このあたりのことを考えると、外国語として日本語を学ぶというのは本当に大変なことではないでしょうか。