フィンランド語学習記 vol.516 − 第2不定詞具格
今回はフィンランド語の動詞の第2不定詞具格と呼ばれる形について見ていきたいと思います。
フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』には次のような例文が出ています。
Iida tuli itkien kotiin.
(イーダは泣きながら、家に帰ってきた。)
(イーダは泣きながら、家に帰ってきた。)
Pekka istui kotona katsellen televisiota.
(ペッカはテレビを見ながら、家で座っていた。)
Bussiin on noustava varoen.
(バスは注意しながら〔=注意して〕、乗らなければならない。)
それぞれ太字の部分が第2不定詞具格と呼ばれる形です。
日本語訳から分かるとおり、第2不定詞具格というのは「〜しながら」という意味を表します。もとになっているのは次の動詞。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
itkeä | cry | 泣く |
katsella | watch | 見る |
varoa | be careful | 注意する |
続いてこの第2不定詞具格の作り方を見ていきましょう。
第2不定詞具格の作り方
第2不定詞具格は、語末の[-A]を[-en]に変えて作ります。
katsella(見る)→ katsellen(見ながら)
varoa(注意する)→ varoen(注意しながら)
varoa(注意する)→ varoen(注意しながら)
ただし[-eA]で終わる動詞は、この手順の際に[e]が[i]に変わります。
itkeä(泣く)→ itkien(泣きながら)
手順はたったこれだけ。
第2不定詞具格などと物々しい名前が付いていますが、作り方は非常にシンプルです。
ただ一点スッキリしないのは、なぜこの形を第2不定詞具格と呼ぶのか?ということ。
そんなことを言い出したらきりがないのがフィンランド語の世界ではありますが。。。
11月 14, 2017 @ 08:51:06
おはようございます。
なぜ第2不定詞具格というのかですが、第2不定詞はe不定詞のことですから、その具格ということになりますね。便宜上第2としているにすぎないでしょう。あとはMA不定詞にも単数具格があるようです。
フィンランド語における具格は通常複数のみに存在しますが、不定詞に関しては単数で使うようです。
複数具格の語尾は-inですが-i-は複数の印なので具格自体の語尾は-n、単数では属格と同形になります。(といっても、不定詞には単数属格がありませんし、単数具格は不定詞にしかないので、少なくとも現代フィンランド語ではこのように属格と具格が同形になるというのはなさそうです。)