フィンランド語学習記 vol.519 − 後置詞あれこれ(3)

17112001

昨日と一昨日のエントリーでは、フィンランド語の後置詞を扱いました。

フィンランド語学習記 vol.517 − 後置詞あれこれ(1)

フィンランド語学習記 vol.518 − 後置詞あれこれ(2)

そこで紹介したのは例えば次のような文。

Kissa on television päällä.(ネコはテレビの上にいる。)

しかしフィンランド語を始めたばかりの頃には、次のような文を作っていたはずです。

Kissa on pöydällä.(ネコはテーブルの上にいる。)

「テーブルの上」と言いたいときには「テーブル」を意味する poytä の接格 pöydällä を用いるのに対して、「テレビの上」と言いたいときには「上に」を意味する後置詞 päällä を用います。

この違いはいったいどこから来るのでしょう?

テキストを読んでいたら、その理由が次のように説明されていました。

Kissa on pöydällä, mutta television päällä. Jos on epätavallinen paikka, niin käytetään postpositiota päällä. Lattialla, matolla, tuolilla, pöydällä, hyllyllä jne., mutta television päällä, pään päällä, jääkaapin päällä, lampun päällä jne.

『suomea suomeksi 2』P.109

これによると、ネコが「普通いないような場所」にいるときには後置詞の päällä を用いるとのこと。

ということは、ネコが「普通いるような場所」にいるときには接格[-llA]を用いるということになります。

それぞれの使い分けは次のように示されています。

 

ネコが普通いるような場所(接格[-llA])

  • lattialla(床の上)
  • matolla(マットの上)
  • tuolilla(イスの上)
  • pöydällä(テーブルの上)
  • hyllyllä(棚の上)

 

ネコが普通いないような場所(後置詞 päällä)

  • television päällä(テレビの上)
  • pään päällä(頭の上)
  • jääkaapin päällä(冷蔵庫の上)
  • lampun päällä(電灯の上)

 

ネコを飼ったことがないので、ネコが普通どのような場所にいるのかはあまりよくわからないのですが、両グループの間に境界線があることは何となくわかります。

日本語ではどちらも「上」、英語ではどちらも on を使うところ、わざわざこんな使い分けをするフィンランド語はユニークだと改めて思います。