鴉声(からすごえ)
「田島さん!」
出し抜けに背後から呼ばれて、飛び上らんばかりに、ぎょっとした。
「ええっと、どなただったかな?」
「あら、いやだ。」
声が悪い。鴉声というやつだ。
これは太宰治の「グッド・バイ」という小説で、主人公の田島が永井キヌ子という女性に新宿の闇市で声をかけられる場面。
最後の鴉声(からすごえ)という表現が気になって、ここで考え込んでしまいました。
(いつもこんな感じなので、短編ですら読み終えるのに時間がかかってしまいます。それはさておき、)
鴉声っていったいどんな声なのでしょう?
しかしいつものように国語辞書を引いてみても、これが出ていません。
それならとネットで検索しても、はっきりとした結果は得られず。
こうなると、もはや推測するしかありません。
カラスのような声ということですから、
- 単純にやかましい
- 威嚇する感じ
- ガラガラ声、ダミ声
思いつくのはこんなところでしょうか。
いずれにしても、この場面を書いた時、太宰の脳裏にどんな声が響いていたのかは想像することしかできません。
みなさんならどんな声をイメージするでしょうか?
太宰の作品にはこういった独特な表現が多く、読んでいると、ついワードハンティングに走ってしまいます。
本当なら作品そのものに集中すべきなのですが、この性分はなかなか治りません。せっかくなのでまた面白い表現を見つけたら、シェアしたいと思います。
1月 22, 2018 @ 19:17:39
私もいま、同じ小説読んでて気になって調べてたら、ココにたどり着きました!w
5月 17, 2018 @ 01:52:09
そうでしたか!
鴉声の正体はよくわかりませんでしたが、グッド・バイは素敵な作品でしたね。