lip service(リップサービス)

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いかにも英語っぽいのに実は和製英語であるという言葉もあれば、いかにも和製英語っぽいのに実は正真正銘の英語であるという言葉もあります。

後者の例として、すぐに思い浮かぶのは次の表現でしょうか。

lip service

noun

if somebody pays lip service to something, they say that they approve of it or support it, without proving their support by what they actually do

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

lip service は「口先だけの好意」の意味。

いわゆる口先だけの言葉を意味する英単語には flattery(お世辞)もありますが、この lip service には「言うだけ言って行動しない」という含意があります。

そういう意味では flattery 以上に不誠実とも言えるでしょう。

このリップサービスという言葉はカタカナ語として国語辞書にも出ています。

リップサービス(名・自サ)〔lip service〕

口先だけのことば。おせじ。

「三省堂国語辞典 第七版」

これを見て思うのは、このリップサービスという言葉を最初に日本語に訳した人は苦労したのではないかということ。

「唇の○○」と訳しても、そのまま「リップサービス」と表記しても、何だか怪しげな意味にとられてしまうのではないかということは容易に想像できます。

カタカナ語として定着する前はいったいどんな風に解釈されていたのか? 気になってしまう表現です。