commentator(コメンテーター)と commenter(コメンター)
以前のエントリーで和製英語としてのプレゼンテーターという言葉を取り上げたことがあります。
プレゼンテーター(名)〔和製 presentator〕
プレゼンテーションをする人。
「三省堂国語辞典 第七版」
このプレゼンテーターという日本語を認めるかどうかはおそらく議論の分かれるところ。
ただ少なくとも英語としてはプレゼンター(presenter)が正しい表現です。
それではこの言葉はどうなのでしょう?
☆☆コメンテーター(名)〔commentator〕
〔討論会や放送番組の中で〕説明や意見などをのべる人。解説者。
「三省堂国語辞典 第七版」
present する人が presenter なら、comment する人は commenter なのではないでしょうか?
しかし改めて英語辞書を調べてみると、commentator という単語は comment ではなく commentate という動詞が元になっているということがわかります。
commentate
VERB
Report on an event as it occurs, especially for a news or sports broadcast; provide a commentary.
ただ commentator という単語を「Oxford Dictionaries」で調べてみると、comment する人、commentate する人という両方の説明が書いてあります。
commentator
NOUN
1 A person who comments on events or on a text.
1.1 A person who commentates on a sports match or other event.
それでは「コメントする人」という意味の commenter という英単語はないのだろうか?と思って調べてみると、こちらも存在することがわかりました。
commenter
NOUN
A person who expresses an opinion or engages in discussion of an issue or event, especially online in response to an article or blog post.
これによると commenter には「特にウェブ上で記事やブログへのコメントをする人」という含みがあるようです。
ということは commentator / commenter にはプロフェッショナル/アマチュアという意味合いがあるのでしょうか?
言われてみると commentator という単語には、単に「コメントする人」という意味で使うのにはちょっと重々しい、職業的な響きがあるのはたしかでしょう。
そのためウェブ上で気軽にコメントを残す人を commenter という単語で表すようになったのかもしれません。
何だか面白い単語の使い分けではないかと思います。