フィンランド語学習記 vol.553 − 着たり、脱いだり(2)
きのうに続いて、フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』に出てきた例文を紹介してみたいと思います。
きのうは「服を着る、脱ぐ」という表現を見てきました。
Riisun vaatteet (päältä).(私は服を脱ぐ。)
今日は引き続き、服以外のものを身につけたり、外したりするときの表現を見ていきます。
Riisun kengät jalasta.(私は靴を脱ぐ。)
Panen käsineet käteen.(私は手袋をはめる。)
Riisun käsineet kädestä.(私は手袋を脱ぐ。)
Panen hatun päähän.(私は帽子をかぶる。)
Otan hatun päästä.(私は帽子をとる。)
以下、順番に見ていきましょう。
kengät
Riisun kengät jalasta.(私は靴を脱ぐ。)
kengät は「靴」を意味する名詞 kenkä の複数対格[-t]の形。
単数主格 | kenkä |
---|---|
複数対格 | kengät |
jalkaan, jalasta
Riisun kengät jalasta.(私は靴を脱ぐ。)
jalkaan は「足」を意味する名詞 jalka の単数入格の形。
jalasta は「足」を意味する名詞 jalka の単数出格の形。
単数主格 | jalka |
---|---|
単数入格 | jalkaan |
単数出格 | jalasta |
ここで面白いのは「靴」は複数になっているのに、それを履く「足」は単数になっているということ。
*複数入格は jalkoihin、複数出格は jaloista。
単数だと靴が一つ余ってしまう、というのは考えすぎでしょうか?
käsineet
Riisun käsineet kädestä.(私は手袋を脱ぐ。)
käsineet は「手袋」を意味する名詞 käsine の複数対格[-t]の形。
単数主格 | käsine |
---|---|
複数対格 | käsineet |
käteen, kädestä
Riisun käsineet kädestä.(私は手袋を脱ぐ。)
käteen は「手」を意味する名詞 käsi の単数入格の形。
kädestä は「手」を意味する名詞 käsi の単数出格の形。
単数主格 | käsi |
---|---|
単数入格 | käteen |
単数出格 | kädestä |
このときの「手」もさきほどの「足」と同じように単数になっています。
*複数入格は käsiin、複数出格は käsistä。
otan
Otan hatun päästä.(私は帽子をとる。)
何かを「脱ぐ」ときに、服や靴や手袋の場合は動詞 riisua を使いましたが、帽子の場合は動詞 ottaa を使います。
日本語でも帽子は「脱ぐ」より「とる」の方が自然な感じがするので、このような動詞の使い分けがあるのは納得。
文中の otan は「とる」を意味する動詞 ottaa の一人称単数形。
タイプ1の動詞である ottaa の活用は次のとおりです。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | otan | otamme |
二人称 | otat | otatte |
三人称 | ottaa | ottavat |
hatun
Otan hatun päästä.(私は帽子をとる。)
hatun は「帽子」を意味する名詞 hattu の単数対格[-t]の形。
単数主格 | hattu |
---|---|
単数対格 | hatun |
päähän, päästä
Otan hatun päästä.(私は帽子をとる。)
päähän は「頭」を意味する名詞 pää の単数入格の形。
päästä は「頭」を意味する名詞 pää の単数出格の形。
単数主格 | pää |
---|---|
単数入格 | päähän |
単数出格 | päästä |
頭は一つなので「なぜ単数?」と考える必要はありません。よかったです!
まとめ
以上、二日間に渡って、さまざまなものを着たり、脱いだりするときの表現を見てきました。
Riisun vaatteet (päältä).(私は服を脱ぐ。)
Panen kengät jalkaan.(私は靴を履く。)
Riisun kengät jalasta.(私は靴を脱ぐ。)
Panen käsineet käteen.(私は手袋をはめる。)
Riisun käsineet kädestä.(私は手袋を脱ぐ。)
Panen hatun päähän.(私は帽子をかぶる。)
Otan hatun päästä.(私は帽子をとる。)
今回は語形変化を細かく検証しましたが、いわゆる定型表現として覚えてしまうのもありだと思います。
表現のストックをどんどん増やしていきましょう。