英和辞典と中日辞典
大型書店に行くと必ず立ち寄ってしまうのが辞書売り場。
そこで先日「なぜだろう?」と思ったことがあるので、書き留めておきたいと思います。
それは英語やフランス語やドイツ語の辞書は「英和」「仏和」「独和」という名称なのに対して、中国語の辞書は「中日」という名称になっていること。
日本語が「和」になったり「日」になったりするのには何か理由があるのでしょうか?
まずは「英和」や「中日」という表現が正式なものなのか確認するため、国語辞書を調べてみました。
えいわ[英和](名)
←英和辞典〔=英語の見出しに日本語で意味を書いた辞典〕。(↔和英)
「三省堂国語辞典 第七版」
ふつわ[▽仏和](名)
←仏和辞典〔=フランス語の見出しに日本語で意味を書いた辞典〕。(↔和仏)
「三省堂国語辞典 第七版」
どくわ[独和](名)
←独和辞典〔=ドイツ語の見出しに、日本語で意味を書いた辞典〕。(↔和独)
「三省堂国語辞典 第七版」
ちゅうにち[中日](名)
…
③←中日辞典〔=中国語の見出しに日本語で意味を書いた辞典〕。
「三省堂国語辞典 第七版」
「◯和」「◯日」で三国の見出し語になっていたのは上記の4つ。
また日本語の見出しで引く「和英」「和独」「和仏」「日中」も同様に見出し語になっています。
この他、三国の見出し語にはなっていないものの、書店には「西和」「伊和」「露和」「羅和」「韓日」などの名前が付いた辞書も並んでいます。
東アジアの言語は「和」の代わりに「日」を使うというルールでもあるのかなとも思いますが、例が中国語と韓国語の二つしかないため確かなことはわかりません。
いずれにしても「英日・中和」という表現に違和感を覚える程度には「英和・中日」という表現は私たちに浸透しています。
これは単なる慣例なのでしょうか?