フィンランド語学習記 vol.563 − 具格を使った慣用表現

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フィンランド語の15の格のうち、昨日は具格と呼ばれる形を扱いました。

フィンランド語学習記 vol.562 − 具格の作り方

今日はこの具格を用いた慣用表現をいくつか見てみたいと思います。

 

kaikin voimin(全力で)

kaikin voimin は「全ての力」を意味する kaikki voimat の複数具格の形。

 

kaksin käsin(両手で)

kaksin käsin は「2つの手」を意味する kaksi kättä の複数具格の形。

 

omin luvin(独断で)

omin luvin は「自分の許可」を意味する oma lupa の複数具格の形。

 

jalan(歩いて)

jalan は「足」を意味する jalka の単数具格の形。

さきほどまでの kaikin voimin, kaksin käsin, omin luvin が複数形だったのに対して、この jalan は単数形になっています。(*複数形なら jaloin)

この jalan を使った表現はかなり前のエントリーでも紹介したことがあります。

Menen aina jalan työhön.
(私はいつも歩いて仕事へ行きます。)

フィンランド語学習記 vol.228 − 具格と接格

それこそ「足」なのだから複数でもよさそうなものですが、単数形を用いるのが慣用になっているようです。

 

yksin(一人で)、kahden(二人で)

yksin は「1」を意味する yksi の複数具格の形。

kahden は「2」を意味する kaksi の単数具格の形。

「一人は複数で、二人は単数」というのはなぜ?と思いますが、ここは深く追求するより、そうなっているからそうなっていると理解しておきましょう。

なおこれらの表現は「もともとは具格」ということであって、現在では定型の副詞とする分類もあるようです。

 

以上、今回はフィンランド語の具格を使った慣用表現を見てみました。

これらは数も少ないので語形変化を考えるより、定型表現として覚えてしまった方がよさそうです。