「大陸」と「島」の違いとは?

18040501

「大陸」と「島」の違いとは何でしょう?

「それは大きさの違いでしょう」と言われれば、もちろんそれまでの話。

ただそれ以外の言葉で定義できるような、明確な線引きが両者の間にあるのかどうかが気になります。

まずは辞書を引いてみました。

たいりく[大陸](名)

①〘地〙地球上の広大な陸地。

「三省堂国語辞典 第七版」

しま[島](名)

①四方が水でかこまれた陸地。

「三省堂国語辞典 第七版」

  • 大陸 = 広大な陸地
  • 島 = 水でかこまれた土地

三国らしい言葉の本質を捉えた語釈だと思いますが、これだけでは両者の違いがはっきりしません。

というのも全ての大陸は水に囲まれているし、世界には広大と形容できるような島も存在するからです。

では、ここで最も小さい大陸であるオーストラリアと最も大きい島であるグリーンランドの大きさを比べてみましょう。

  • オーストラリア → 8,600,000 km²
  • グリーンランド → 2,166,000 km²

オーストラリアの面積はグリーンランドの約4倍。思ったよりも差がありますね。

高緯度にあるグリーンランドはメルカトル図法の地図だとかなり拡大されるので、実際よりも大きな土地をイメージしてしまいがちです。

オーストラリア(8,600,000 km²)とグリーンランド(2,166,000 km²)の大きさを考えたときに、この両者の間に線を引くというのは合理的な考え方だと思います。

ただ境界が明示されている訳ではないので、結局は相対的に、

  • オーストラリアより小さい → 島
  • グリーンランドより大きい → 大陸

ということしか言えません。

これがもし、

たいりく[大陸](名)

地球上の5,000,000 km²以上の陸地。

「ペケペケ国語辞典」

みたいな定義があればすっきりする訳ですが、そんな風にきちっと割り切れないのが言葉の世界。

結局あらゆる言葉というのは「左に対する右」「右に対する左」のように相対的であり、そのような相対性の中で私たちは世界を捉えている。これは私たちの思考をめぐる不思議の一つです。

 
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