フィンランド語学習記 vol.571 − Valko-Venäjä
「私は(ある国)にいます」と言いたいとき、一般的には国名を内格[-ssA]の形にします。
Minä olen Suomessa.(私はフィンランドにいます。)
Minä olen Japanissa.(私は日本にいます。)
Minä olen Japanissa.(私は日本にいます。)
ただしロシアだけは特別で接格[-llA]の形にします。
Minä olen Venäjällä.(私はロシアにいます。)
と、ここまではフィンランド語を始めてすぐの頃に習ったルール。
しかし最近ロシア以外にもう一つ接格を用いる国を発見しました。
Minä olen Valko-Venäjällä.(私はベラルーシにいます。)
フィンランド語で「ベラルーシ」は Valko-Venäjä。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
Venäjä | Russia | ロシア |
Valko-Venäjä | Belarus | ベラルーシ |
Valko-Venäjä の valko は「白」を意味する接頭辞。「白い」を意味する形容詞 valkoinen に由来します。
ベラルーシは日本でも「白ロシア」と呼ばれていた時代がありました。
ベラルーシ(名)〔Belarus〕
〘地〙ヨーロッパの東部にある共和国。東はロシア連邦に接する。もと白ロシアと呼ばれた。首都、ミンスク(Minsk)。
「三省堂国語辞典 第七版」
この白ロシアという名前はベラルーシの旧名(英:Belorussia、露:Белоруссия)に由来します。
日本語ではもう白ロシアという名前で呼ばれることはほとんどありませんが、フィンランド語では旧名がそのまま定着しているということなのでしょうか。
ちなみにこの白ロシアのロシアというのは、モスクワを首都とするあのロシアのことではなく、違った由来があるのだそう。
ただ由来はともかく、名前としては Venäjä と Valko-Venäjä ですから、文法的に同じ変化になるのは自然なこと。
それでもフィンランドにとってのロシアは特別ということで、ベラルーシの場合は Valko-Venäjässä になるというルールだったりしたら面白いのですが、さすがにそんなことはないようです。