スワジランド、エスワティニ

18042101

最近の気になるニュースといえばこちら。

アフリカ南部の王国スワジランドの国王ムスワティ3世は19日、自身の誕生日と独立50年を祝う式典で、国名を「エスワティニ」に変更すると発表した。スワジ語で「スワジの地」を意味する。AFP通信などが報じた。

ハフィントンポスト「スワジランドが国名変更。これからは、エスワティニです。」より

なぜこのニュースが気になったのかというと、以前のエントリーで、日本語で「ランド」の付く国はアイスランド、アイルランド、スワジランド、ニュージーランド、フィンランド、ポーランドの6つであると書いたことがあったから。

アイスランド Iceland
アイルランド Ireland
スワジランド Swaziland
ニュージーランド New Zealand
フィンランド Finland
ポーランド Poland

 

ランドの付く国

しかしスワジランドがエスワティニになれば、ランドの付く国は一つ減って5つということになります。

ただここで一つ考えてみたいのは、そもそも国名というのはどの国にとっても一つではないということ。

例えば、フィンランドは英語では Finland ですが、フィンランド語では Suomi です。

スワジランドの新国名エスワティニ(eSwatini)は、スワジ語で「スワジの地」を意味するということですが、現地の言葉であるスワジ語ではもともと自分たちの国をエスワティニと呼んでいたらしいのです。

そうだとすれば、スワジランドをエスワティニに変えるということは、例えば Japan を Nippon に変えると言っているようなもの。

これは厳密な意味で国名の変更と言えるのでしょうか?

気になったので英語圏のニュースも調べてみると、そのあたりの事情を伝えているものもありました。

…So the kingdom’s 1.4 million residents might have been surprised on Thursday when King Mswati III, one of the world’s few remaining absolute monarchs, announced the news: The country will henceforth be known as eSwatini, the kingdom’s name in the local language. (It means “land of the Swazis” in the Swazi — or siSwati — tongue.)

Swaziland’s King Wants His Country to Be Called eSwatini – The New York Times

この The New York Times の記事ではエスワティニというのが現地語での国名であるということを伝えています。

なおこのような国名変更宣言で思い出されるのは2年ほど前のチェコ共和国(The Czech Republic)のケース。短縮の国名をチェコ(Czech)からチェキア(Czechia)に変更しますと宣言したはずなのですが、あれは定着したのでしょうか?

変更を宣言してもすぐに「はい、わかりました。地図帳も全部刷り直しておきますねー。」とはならないのが国名の難しいところ。エスワティニの名前はこれから無事定着するのでしょうか?