外国語学習における音読の効用

外国語の学習に音読を取り入れている人は多いと思います。

しかし「そもそも音読とは、何のためのトレーニングなのですか?」と聞かれて、すぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。

あまりにも当たり前の練習になりすぎてしまい、盲点になっているのかもしれません。

こんなときは専門書に当たってみようと思い、門田修平著「シャドーイングと音読の科学」を読んでみました。この本では音読の効用として下記の2点が挙げられています。

  • 単語認知の自動化機能
  • 新規学習項目の内在化機能

ちょっと難しいので、以下にひもといていきましょう。

 

単語認知の自動化機能

私たちは文章を読むとき、実際に声には出さないとしても、頭の中でそれを音声化しています。

例えば、I like coffee. という文を読むとき、「アイ ライク カフィ」という音声を介在して意味を理解しているということです。

音読を繰り返すことで、この音声化が効率的になり、意味理解すなわちリーディングのスピード向上につながるそうです。

 

新規学習項目の内在化機能

私たちが単語や文法項目を記憶しようとするとき、実際に声には出さないとしても、やはり頭の中でそれを音声化しています。

意味を理解しながら音読を繰り返すことで、この音声化が効率的になり、長期的な記憶の定着に役立つそうです。

音読をしていると、意味がわからないまま読みすすめてしまうこともありますが、それでは記憶の定着につながらないので注意しましょう。

 

まとめ

ここでは非常に簡略化した形で音読の2つの効用を紹介しました。

本書『シャドーイングと音読の科学』では、非常に詳細な認知のメカニズムが紹介されていますので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

ただし音読の主目的は「リーディングのスピード向上」「語彙・文法項目の記憶定着」であるとはっきり認識しているだけでも、日々の取り組みが違ってくるのではないかと思います。

 

シャドーイングと音読の科学
門田 修平
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