フィンランド語学習記 vol.640 − Kustaa Vaasa(1)

booky.fi のオンライン通販で、Mauri Kunnas の『Koirämäen Suomen historia』を購入しました。

タイトルのとおりフィンランドの歴史に関する絵本で、Kunnas の他の作品と同様、登場人物はみな犬になっています。

子供向けの絵本とはいえ、実際に読み始めてみると今の自分の語学力ではなかなか大変。このブログでよく記事を取り上げている Yle Uutiset selkosuomeksi より読むのに時間がかかります。

ただ時間制限がある訳でもないので、ゆるゆると読み進めて行くことにしました。

まずは以前のフィンランド語教室でも少し読んだスウェーデン王グスタフ1世に関するページを開いてみます。

1523-1560

Kustaa Vaasa

Kustaa Vaasa oli Ruotsin kuningas.
Hän oli vahva hallitsija.

Ruotsi oli ollut katolinen maa niin kuin muutkin Euroopan maat, mutta valtaan päästyään Kustaa muutti maansa luterilaiseksi. Uskontoa enemmän häntä kuitenkin kiinnosti kirkkojen ja luostareiden omaisuus.

グスタフ1世

グスタフ1世はスウェーデンの王だ。
彼は強い支配者だった。

スウェーデンは他のヨーロッパの国と同じようにカトリックの国だったが、権力を握ったあと、グスタフは彼の国をルター派に変えた。しかし彼は宗教よりも教会や修道院の財産に興味を持っていた。

フィン
kuningas king
vahva strong 強い
hallitsija ruler 支配者
katolinen Catholic カトリックの
luostari cloister 修道院
omaisuus properties 財産、所有地

 

比較級

最初うまく訳せなかったのがこの一文。

Uskontoa enemmän häntä kuitenkin kiinnosti kirkkojen ja luostareiden omaisuus.

しかし彼は宗教よりも教会や修道院の財産に興味を持っていた。

uskontoa enemmän の部分が比較表現であることに気付かず、かなりの時間考え込んでしまいました。

uskontoa enemmän
= enemmän kuin uskonto

フィンランド語には、比較対象を分格の形にして比較級(enemmän)の前に置くという用法があります。

比較の対象は kuin を使わずに表現されることもあります。その場合には分格にして、多くの場合は比較級の前に置きます。

Äitini on minua lyhyempi. 私の母は私よりも背が低い(lyhyt)。

「フィンランド語文法ハンドブック」P.217

最初この形に気付かず、「より多くの宗教が教会や修道院の財産に興味を持っていた」 と訳してしまい、häntä が何を指しているのかわからない状況に。

たった一つの段落でかなりのエネルギーを使ってしまいました。

続きは明日のエントリーにて。

 

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