ホンとフォン

スマホ(名)

←スマートフォン。

「歩きーは危ない」

「三省堂国語辞典 第七版」

☆☆スマートフォン(名)〔smartphone〕

パソコンの機能をあわせもつ、多機能の携帯電話。スマホ。

「三省堂国語辞典 第七版」

スマートフォンの略称はなぜスマホなのでしょう?

スマートフォンを略せばスマフォですし、スマホを伸ばせばスマートホンになります。

過去にはスマフォ・スマートホンという表記も見たことがあるような気がしますが、今ではほぼスマホ・スマートフォンに固定されたといってよいでしょう。

そもそも英語の[-phone]をホンと読むのかフォンと読むのかは微妙な問題。

そのあたりを検証するため、辞書から「〇〇ホン、〇〇フォン」の見出し語をいくつかを拾ってみました。

イヤホン(名)〔earphone〕

機器の音声をひとりで聞くために、〈耳に当てる/さしこむ〉装置。イヤホーン。イヤフォン。

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インターホン(名)〔interphone〕

玄関と室内などの通話に使う装置。インターフォン。インタホン。

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キャッチホン(名)〔和製 catch phone= 商標名〕

通話中に別の電話がかかってきたとき、それまでの話し相手を待たせて、あとの人と話すことができる方式。割りこみ電話。

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サクソフォ(ー)ン(名)〔saxophone〕

〘音〙ジャズ音楽の代表的な管楽器。筒の先にらっぱが曲がってついた形をしている。サクソホ(ー)ン。サキソホ(ー)ン。サキソフォ(ー)ン。サックス。

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シロホン(名)〔xylophone〕

〘音〙いろいろの長さの木片を音階順にならべ、先に まるい たまのついた棒で打ち鳴らす楽器。木琴。シロフォン。

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ドアホン(名)〔和製 door phone〕

玄関・門と部屋の中をむすぶインターホン。

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ビブラフォン(名)〔vibraphone〕

〘音〙金属の板に共鳴用のチューブをつけ、電気で音を長くひびかせる打楽器。電気鉄琴。バイブ。

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プッシュホン(名)〔和製 push phone〕

ボタンをおしてかける電話機。

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ヘッドホン(名)〔headphones〕

ステレオなどをひとりで聞くために、頭にのせて耳に当てる装置。ヘッドフォン。

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マイクロホン(名)〔microphone〕

音声を電気信号に変える装置。マイク。

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メガホン(名)〔megaphone〕

口に当てて声を拡大する道具。

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〇〇ホンの見出し語が9つ、〇〇フォンの見出し語が2つ。

ただ見出し語はどちらかで書いてあっても、もう片方も表記のゆれとして認めているケースがほとんど。

それでも個人的な感覚かもしれませんが、プッシュホンの場合はプッシュフォンという表記にやや違和感を覚えます。

それはプッシュホンが和製英語だからなのか、あるいはプッシュホンそのものが現在ではほとんど使われていなため過去の記憶としてホンに固定されてしまったからのか。

もし「ホン(過去の主流)→フォン(現在の主流)」という流れがあるのだとすれば、プッシュホンがプッシュフォンになることはないし、スマートフォンがスマートホンになることもないのでしょう。

その端境期を生きたものたちだけが、ホンとフォンの両方で呼ばれることを許される。。。そんな仮説は成り立つでしょうか?

 
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