虹の構造

フィンランド語で「虹」は sateenkaari(サテーンカーリ)。

sateen は「雨」を意味する名詞 sade の属格の形。

kaari は「アーチ」を意味する名詞。

そうか、フィンランド語では虹を「雨のアーチ」と表現するんだ!

。。。と思ったのですが、改めて考えてみると英語の rainbow やフランス語の arc-en-ciel も同じ構造。取り立ててフィンランド語の表現が目新しい訳ではありません。

それにもかかわらず、雨のアーチという表現を目新しく思ったのはなぜなのか?

その理由を考えてみたところ、それはおそらく rainbow という言葉があまりにも馴染みのある言葉になっているからなのだろうという結論に至りました。

rainbow という言葉を使う際、それが rain と bow の複合語であるという事実を意識している人は少ないでしょう。私も含めた多くの人は rainbow をあくまでも rainbow というひとまとまりの単語として認識しているのだと思います。

それならばフィンランド語の達人になれば、sateenkaari を sade と kaari に分けて考えることもなく、sateenkaari というひとまとまりの単語として認識するようになるのでしょうか?

結局はその単語との接触頻度がどれだけ高いかという点が鍵を握っているような気がします。調べてみれば、そのあたりを検証した研究があるのかもしれません。