「踊る」と「躍る」の違いとは?
「おどる」という日本語を漢字に変換すると「踊る」の他に「躍る」という表記もあることがわかります。
「踊る」と「躍る」の違いは何なのでしょう?
まずは国語辞書を引いてみました。
おどり[踊り]ヲドリ(名)
①音楽や歌にあわせて手足やからだを型にしたがって美しく動かすこと。
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「三省堂国語辞典 第七版」
おどる[踊る]ヲドル(自五)
①「おど(踊)り①」をする。
「輪になってー・ワルツをー」
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「三省堂国語辞典 第七版」
おどる[躍る]ヲドル(自五)
①勢いよくとび上がるような動きをする。
「心臓がー〔=はねるように強く打つ〕・黒潮ー太平洋」
②〔胸が〕さわぐ。わくわくする。
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「三省堂国語辞典 第七版」
なるほど。「躍る」と「躍る」の違いは「輪になって踊る」と「心臓が躍る」の違いなんですね。
言われてみれば納得ですが、この意味の違いを漢字の違いとして意識したことはありませんでした。
また漢和辞典にも面白い説明が出ていました。
類義語【躍・踊】
ともに跳ねることをいい、大きなとび跳ねを「躍」、わずかのとび跳ねを「踊」という。一説に、前方への跳躍を「躍」、上への跳躍を「踊」という。
「全訳 漢辞海 第四版」
前方への跳躍を「躍」、上への跳躍を「踊」という説は新鮮です。
この説を採用すれば、走り幅跳びの選手が行うのは「跳躍」、走り高跳びの選手が行うのは「跳踊」ということになります。
前へ跳ぶのと上へ跳ぶのは違う動きなのですから漢字が異なって悪いはずはありません。こんな使い分けがあっても面白いですよね。