QWERTY phenomenon

現在普及しているキーボードのキー配列は左上に[QWERTY]の文字が並んでいることから QWERTY 配列と呼ばれています。

この配列は100年以上前のタイプライターですでに使われていました。そこには何らかの技術的な理由があったのだろうと推察されています。

現在のキーボードにおいて QWERTY 配列を維持する合理的な理由はないものの、慣習的にこの並びが採用されています。英語にはこの事象を皮肉ったこんな表現もあります。

QWERTY phenomenon

An aversion to using more modern technology or advances with superior features in favor of the original

「Wiktionary」

QWERTY phenomenon は「オリジナルにこだわって、新技術を使わないこと」の意味。

最先端の技術を活用すれば、おそらく QWERTY より効率的なキー配列を考案することは可能でしょう。

ただ各メーカーがそれぞれ独自のキー配列を採用して効率性を競い始めたりしたら、ユーザーはついていくのが大変ですし、そもそもタイピングのように一定の訓練によって蓄積されたスキルをリセットして一から作り直すというのはハードルの高いこと。

それを超えて新しい世界に踏み出すのか、慣れ親しんだ世界にとどまるのか。革新と慣習のせめぎあいというのは人間にとって永遠のテーマなのだろうと思います。