『世界中の言語を楽しく学ぶ』井上孝夫著
本書は、本業の傍ら100以上の外国語を学んだという多言語学習者の方による学習の記録です。
著者の井上さんは決して言語学習の専門家という訳ではなく、本業は出版社に勤める校閲者であるとのこと。
そんな著者が大学時代の第二外国語の選択に始まり、多言語学習の世界に引き込まれていく経緯が、様々な学習法の紹介とともにライフヒストリーの形式で語られていきます。
学習法といっても何か特別な方法がある訳ではなく、通勤電車や喫茶店を活用した学習方法など、誰にでもすぐに真似できそうな方法が主となっています。
(もちろん「真似できそう=真似できる」ではないのですが。)
多言語の学習に際して、言語横断的に共通の文法項目をノートにまとめるなど、経験者ならではの学習法も紹介されています。
しかしこの本の素晴らしい点は、そういった実用的なノウハウ以上に、著者の外国語学習へ向かう姿勢と熱意そのものだと思います。
実に楽しそうに多言語の世界を横断していく著者の姿勢を見ていると、きっと外国語学習の面白さ・豊かさを再発見することができるはずです。
最近、外国語の勉強が停滞気味だなあと感じている方は、ぜひ手にとって読んでみてください。
また、本書はこんな方々にもおすすめです。
- 言語というものに実用性を超えたロマンを感じる方
- 仕事を持ちながら何らかの外国語を学んでいる社会人の方
- 外国語の勉強を始めたいのだけど、どの外国語にしようか迷っている方
- ある外国語を学んでいるものの、学ぶ目的が見えなくなってしまった方