フィンランド語学習記 vol.64 − 時間の言い方②

フィンランド語の時間の言い方については、以前このブログで紹介したことがあります。

[参考]フィンランド語学習記 vol.34 − 時間の言い方 | Fragments

例えば、こんな表現。

Kuinka paljon kello on?(何時ですか。)
Kello on 9.(9時です。)
*kuinka「どのくらい」、paljon「たくさん」、kello「時計、時刻」

時間を尋ねるとき、フィンランド語では「時刻はどのくらいたくさんですか?」という表現を用います。

今回は、この他にもう少し新しい表現を見ていきましょう。

 

時間のさまざまな尋ね方

1)Kuinka paljon kello on?(何時ですか。)
2)Paljonko kello on?(何時ですか?)
3)Mitä kello on?(何時ですか)
*mitä(何)

2の文の paljonko の[-ko]は疑問文を作るための接尾辞で、通常は動詞の語末に付くのですが、時々名詞や形容詞にも付くことがあるのだとか。

この場合は paljon(たくさん)という副詞に付いて、paljonko という形になっています。

3の文はもっとシンプルに疑問詞の mitä(何)を使って時間を聞いています。

 

流れゆく時間

時間というのは不思議なもので、1日24時間は誰にでも平等に与えられていますが、時間の流れ方は主観的に異なります。

楽しい時間を過ごしていれば、時間はあっという間に過ぎ去り、退屈な時間を過ごしていれば、時間はいつまでも停滞するというのは、誰しも経験のあるところでしょう。

そのような主観的な時間の流れを表すには、jo と vasta を使いましょう。

Kello on jo 9.(もう9時です。)
Kello on vasta 9.(まだ9時です。)
*jo(もう)、vasta(まだ)

 

切り取る時間

時間というのは実体を伴ったものではなく、私たちがこの世界を認識するための一つの装置に過ぎません。

2013年5月26日の午後9時という時間は一瞬にして過ぎ去り、後にも先にも同じ時間はないのです。

その一瞬を捉えようとするなら tasan、おおまかに捉えようとするなら melkein を使いましょう。

Kello on tasan 9.(ちょうど9時です。)
Kello on melkein 9.(だいたい9時です。)
*tasan(ちょうど)、melkein(だいたい)

 

まとめ

今回は時間のさまざまな尋ね方と、時間を主観的に捉える4つの副詞を紹介しました。

何気なく使うフレーズでありながら、人間の言葉/認識というものの奥深さを示す表現であるようにも思います。