W. B. Yeats「The Falling of the Leaves」

ベッドの横に数冊の本が積み上げてあり、このところその一番上の席を占めているのが、岩波文庫から出ている『対訳イェイツ詩集』です。

ウイリアム・バトラー・イェイツ(William Butler Yeats)は、19世紀末から20世紀にかけて活躍したアイルランドの詩人。

一日一編、美しい英語を読んでから、眠りにつくというのも悪くありません。

そんな詩集から、初期の詩を一編。

The Falling of the Leaves

Autumn is over the long leaves that love us,
And over the mice in the barley sheaves;
Yellow the leaves of the rowan above us,
And yellow the wet wild-strawberry leaves.

The hour of the waning of love has beset us,
And weary and worn are our sad souls now;
Let us part, ere the season of passion forget us,
With a kiss and a tear on thy drooping brow.

落葉

私たちを愛でてくれる長い葉に秋が来た。
大麦の束に棲む鼠たちにも秋が来た。
頭の上のナナカマドが黄いろになった。
濡れた野いちごの葉も黄いろになった。

愛の終る時がそこまで迫っている。
二人の悲しい魂はもう疲れてやつれ果てた。
情熱の季節が過ぎ去る前に別れよう、うつむく
あなたの額に一つの接吻と一滴の涙を残して。

*『対訳イェイツ詩集』より

本書では、左ページに原詩、右ページに日本語訳がのっているので、それぞれを照らし合わせながら読むことができます。

原詩を読みながら、意味が分からないところを日本語訳で確かめたり、日本語訳を読みながら、原詩の響きも味わったり、さまざまな読み方ができるでしょう。

時折出てくる古い英語の響きも楽しいです。

発音
ere [eər] 〜する前に(before)
thy [ðaɪ] あなたの(your)

 
枕元の一冊にいかがでしょうか。

 

対訳 イェイツ詩集 (岩波文庫)
イェイツ
岩波書店
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