世界の国名を現地語で表記する『Endonym Map』

外国語を学んでいて不思議に思うことの一つは、同じ国の名前でも言語によって呼び方が全く異なるということ。

日本(にほん、にっぽん)と、英語の Japan は似ても似つかぬ発音ですし、フィンランドと、フィンランド語の Suomi にも全く共通点はありません。

もちろんそれなりの歴史的経緯があるにせよ、国の名前というのは一種の固有名詞のはずなので、これだけ異なるというのは、何だか不思議な現象のように思います。

今回紹介する「Endonym Map」というウェブマップでは、そんな国の名前を、それぞれの国の言語で表記するという試みを行っています。考えてみると、今までありそうでなかった試みと言えるかもしれません。

 

Endonym とは?

タイトルの endonym とは何を意味しているのでしょう? サイト内の説明は下記のとおり。

About Endonyms

An endonym is the name for a place, site or location in the language of the people who live there. These names may be officially designated by the local government or they may simply be widely used.

(エンドニムとは、現地に住んでいる人々の言葉で場所、敷地、位置の名前を示したもの。これらの名前は政府によって公式に定められているか、あるいは単に広く使われている。)

簡単に言うと「現地語の地名」ということになるのでしょう。日本語では一般に「内名」と訳されることが多いようです。

冒頭の例で言うと「日本」や「Suomi」が内名ですね。一方「Japan」や「Finland」は外名ということになります。

 

『Endonym Map』をのぞいてみる

まずはスカンジナビアのあたりを見てみると、こんな感じに。

フィンランドは「Suomen Tasavalta」と表記されています。tasavalta は「共和国」の意味。正式名称はフィンランド共和国なんですね。

地図をスクロールしてみると、圧倒的多数の国はラテン文字のアルファベット表記、続いてキリル文字とアラビア文字。そして漢字文化圏は世界の辺境であることが、実感としてよくわかります。

またこのウェブサイトでは、使用言語の一覧をテーブル形式でも掲載しています。このテーブルは並び替えができるようになっており、「Language shown」という部分をクリックすると、それぞれの言語が何か国くらいで使用されているのか数えてみることもできます。

日本語とフィンランド語はそれぞれ1か国ということで、友人同士。他にもゾンカ語(ブータンの公用語)やティグリニャ語(エリトリアの公用語)など、あまりメジャーではない言語の名前も見えます。

このあたりも含めて、あちこちのぞいていると楽しめるウェブサイトだと思います。気になる方はぜひお試しください。

 
Endonym Map: World Map of Country Names in Their Local Languages
About Endonyms An endonym is the name for a place, site or location in the language of the people wh …