新語はどこからやって来るのか? − Case of ‘QUIZ’

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スクラブル(Scrabble)というゲームをやったことはありますか?

アルファベットのコマを組み合わせて単語を作る、英語圏の国々ではかなりポピュラーなゲームの一つです。

このゲームで、Q や Z のコマが手元にあると、いつも作りたくなるのが QUIZ という単語。

スクラブルでは、アルファベットごとに得点が定められており、使用頻度の低い文字を使って単語を作ると高得点を獲得することができます。

その得点は次のとおり。

1点 A, E, I, L, N, O, R, S, T, U
2点 D, G
3点 B, C, M, P
4点 F, H, V, W, Y
5点 K
8点 J, X
10点 Q, Z

 
ご覧のとおり、Q と Z には最高の10点が与えられています。

そんな訳で手元に Q と Z のコマを持っていると QUIZ を作る絶好のチャンス!と思うのですが、大抵はそれらのカードを抱えたままゲームは終了。

なかなか思いどおりにはいきません。

しかしスクラブルの得点はさておき、quiz という単語の響きには何となく人を魅了するものがあります。

そんな quiz の語源は謎に包まれており、Wiktionary の語源の欄には次のような記載が。

The true etymology is unknown.(本当の語源はわかっていない。)

ただしこの quiz という単語が広まったきっかけについては、ある有名な説があります。

The story goes that a Dublin theatre proprietor by the name of Richard Daly made a bet that he could, within forty-eight hours, make a nonsense word known throughout the city, and that the public would supply a meaning for it. After a performance one evening, he gave his staff cards with the word ‘quiz’ written on them, and told them to write the word on walls around the city. The next day the strange word was the talk of the town, and within a short time it had become part of the language.

(この話は、リチャード・ダリーという名のダブリンの劇場所有者が、ある賭けを行ったことに端を発する。それは「48時間以内に無意味な単語を街中に広め、その単語に意味を与えることはできるか?」というものであった。ある晩の公演後、彼は「quiz」と書かれたカードをスタッフに渡し、それを街中の壁に書くように指示した。翌日、その不思議な単語は街の話題となり、瞬く間に英語の一部となった。)

『Oxford Dictionaries』

実際にこのようなできごとがあったのだとしたら、とても愉快な話だと思います。

現代でも次々に新語は生まれていますが、さすがに48時間以内に巷間に広めるというのは難しいでしょう。

あるいはインターネットやソーシャルメディアをうまく利用すれば実現可能なのでしょうか?

また48時間は無理だとしても、「あなたが考えた単語が◯◯辞書に掲載されたら、◯◯プレゼント!」というようなコンテストがあったら、ぜひ参加してみたいものです。

おそらく数年がかりのコンテストになってしまうと思いますが。。。いかがでしょう?