フィンランド語学習記 vol.102 − 動詞 saada の使い方

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フィンランド語教室42週目のレポート。

この日は、DVDで見られるフィンランド映画を先生がいくつか紹介してくれました。

先日のフィンランド映画祭2013に行って以来、もっとフィンランドの映画を観てみたいと思っていたので、そのうちチェックしてみたいと思います。面白い映画に出会ったらこのブログでも紹介します。

さて今回のレッスンは、動詞の復習から。

フィンランド語の動詞でおもしろいのは、一つの単語が動詞になったり、助動詞(英語でいう法助動詞)になったりするという点かもしれません。

例えば saada という動詞の例を見てみましょう。

Saanko kahvia?(コーヒーをいただけますか?)
*[-n]は一人称単数、[-ko]は疑問を表す接辞。
*kahvi(コーヒー)

この文では、saada は「〜を得る」という意味の動詞として使われています。英語で言えば get の意味。

すぐ後に続く kahvia は、語尾に[-a]を付した分格の形になっています。分格というのは、主に日本語の「〜を」に当たる格変化の一つです。

[参考]フィンランド語学習記 vol.55 − 分格のつくり方 | Fragments

すなわち Saanko kahvia? は「動詞+目的語」という構成の文になっています。

それにしても「コーヒーをいただけますか?」と聞きたいときに、たった2語で済ませられるのが不思議だと思ってしまうのは、やはり英語の影響なのでしょうか。

続いて助動詞としての saada の例を見てみましょう。

Saanko syödä koko kakun?(ケーキを全部食べてもよいですか?)
*syödä(〜を食べる)、koko(全部の)、kakku(ケーキ)

この文では、saada は「〜してもよい」という意味の助動詞として使われています。英語で言えば may の意味。

すぐ後に続く syödä(〜を食べる)はA不定詞(辞書形)のまま使われています。

英語でも may や can などの法助動詞の後には動詞の原形を置きますので、それと同じと考えるとわかりやすいのかもしれません。

しかし英語においては may や can のような法助動詞は常に助動詞であり、単独で動詞になることはありません。

このあたりの感覚は英語と違うので、ちょっと新鮮な感じがしました。

他にもこういう動詞はあるのでしょうが、まずは saada の例を覚書として残しておきたいと思います。