ある手っ取り早い問題解決の方法 − from ‘problem’ to ‘challenge’

problem

a thing that is difficult to deal with or to understand

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』

私たちの日常にはさまざまな問題(problem)が山積み。

仕事や私生活で、解決するべき問題を抱えていない人の方が珍しいくらいでしょう。

そんな problem に関する面白い記事が『Critical Pages』というウェブサイトにのっていました。

“Problem” (n.) May Be Dropped from Dictionary | Critical Pages

Problem — the word that Google defines as “a matter or situation regarded as unwelcome or harmful and needing to be dealt with and overcome” is fading from the dictionary.

(グーグルが「歓迎されないか、有害とみなされ、対処克服すべき事柄や状況」と定義する problem という単語は辞書から消えつつある。)

「辞書から消えつつある」というのは、一種の比喩であり、problem という単語そのものが消えつつあるということではありません。

それでは problem という単語はどこから消えつつあるのでしょうか?

例えばあなたが属している組織が何か深刻な problem を抱えているとき、それをそのまま公にすれば、組織自体の信用に関わります。思いもよらぬバッシングや批判の対称になることもあるでしょう。

To avoid these kinds of disasters, business and the armed forces, as well as the government agencies and virtually all academic institutions, have quietly done away with the word problem and all its synonyms. In it’s place they now use challenge or issue.

(これらの災難を避けるため、企業や軍隊、そして政府機関やほとんど全ての大学機関は、problem という単語とその同義語を使うのを密かに止めてしまった。その代わりに今は challenge や issue という語を使っている。)

challenge というのは言い得て妙な表現だと思います。例えば現代日本が抱える、

  • 財政赤字
  • 少子高齢化
  • エネルギー政策

といった課題にしても、problem というより challenge と言った方がポジティブなイメージがありますね。

いかにも現代的なニュースだと思いますが、これは単なるごまかしやすりかえの問題とも言い切れません。

特にどこかの国のように、代案を伴わない非建設的な批判、足の引っ張り合いが横行している社会においては、ポジティブな世論形成に寄与する表現を選択することも、時に必要なのではないでしょうか。

いずれにせよ解決しなければならない問題ならば、前向きに取り組んでいきたいものだと思います。