フィンランド語学習記 vol.138 − 上下左右
Vasemmalla on Akateeminen Kirjakauppa.(左にあるのはアカデミア書店です。)
フィンランド語で「左に」は vasemmalla(ヴァセンマッラ)。
旅のガイドなど、会話の中で建物の位置を示すことはよくあるのではないでしょうか。
「左手に見えますのは〜」とは言わないかもしれませんが、基本的な単語くらいは知っておいた方がよいと思います。
そんな訳で、今回のエントリーでは「上下左右」を表す単語を調べてみました。
フィン | 日 |
---|---|
ylhäällä | 上に |
alhaalla | 下に |
vasemmalla | 左に |
oikealla | 右に |
これらは「上下左右に(ある)」という位置を表す形。
一方、「上下左右へ(行く)」という方向を表したいときには、次のような形になります。
フィン | 日 |
---|---|
ylhäälle | 上へ |
alhaalle | 下へ |
vasemmalle | 左へ |
oikealle | 右へ |
よーく見ると、さきほどの「上下左右に(ある)」の形とおしまいの一文字だけが異なります。
それでは単に「上下左右」を意味する単語はないのか?と思い、調べたみたのですが、これがなかなか難しい。
試しに、次の下線部に入る単語を考えてみてください。
oikealla(左に)→ oikealle(左へ)→ oikea(左)
vasemmalla(右に)→ vasemmalle(右へ)→ vasen(右)
ylhäälla(上に)→ ylhäälle(上へ)→ (上)
alhaalla(下に)→ alhaalle(下へ)→ (下)
当然、*ylhää(上)、*alhaa(下)のような単語を想像すると思うのですが、、、調べても存在しない!
vasemmalla(右に)→ vasemmalle(右へ)→ vasen(右)
ylhäälla(上に)→ ylhäälle(上へ)→ (上)
alhaalla(下に)→ alhaalle(下へ)→ (下)
??
ただ改めて考えてみると、英語にも単に「上下」を表す単語は存在しません。
対象との位置関係や示す範囲によって、on, over, above などを使い分けることになります。(下の場合は under, below 時には on など)
そういう意味では、英語の「上下」と「左右」というのは文法的に等価ではありません。
フィンランド語の場合は果たしてどうなのか?? なかなか難しい問題なので、もうしばらく考えてみたいと思います。
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なかなかおもしろいことに気づかれましたね。Whitebearさんのブログを見て、名詞で上や下に当てはまる単語がないかWebxcionで検索してみました。そうしたら、
yläpuoli:upper side of an object(何か物の上部)
alapuoli:underside of anything(何かの下部)
が見つかりました。しかし、例文を見ると
Lamppu on kirjoituspöytäni yläpuolella. →ランプが私の事務机の上にある。
UFOn alapuolelta säteili vihreää valoa. →UFOの下部から緑色の光が放射された。
と、語尾変化させて使うことが多いようです。だったら、後置詞のyllä, allaでもいいのかなと思いました。
また、いろいろと教えてください。
1月 10, 2014 @ 00:02:21
なるほど。yläpuoli, alapuoli という名詞があるんですね。参考になります!
それにしても「UFOの下部から緑色の光が放射された」っておもしろい例文ですね。underside の例にこんな文を持ってくる想像力とセンスは素晴らしいと思います。
(^_^)