フィンランド語学習記 vol.142 − 二つ一組の単語たち

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フィンランド語で「はさみ」は sakset(サクセット)。

語末の[-t]は複数形の印です。

kirja(本)
kirjat(何冊かの本)

フィンランド語では、はさみやめがねなど複数のパーツから成るものは、基本的に複数形で用いるそうです。

このルールは英語と同じですね。

英語の複数の印は[-s]ですが、フィンランド語の複数の印は[-t]です。

いくつかの例を見てみましょう。

フィン
1 farkut jeans ジーンズ
2 housut pants パンツ
3 kengät shoes
4 käsineet gloves 手袋
5 piilolinssit contact lenses コンタクトレンズ
6 sakset scissors はさみ
7 silmälasit glasses めがね
8 sukat socks 靴下

 

きれいに[-t]と[-s]が並びました。

フィンランド語の場合、基本的にはこの複数形を覚えておけばよいのですが、時折ひょこっと単数形が現れることもあります。

靴下の片方をなくしてしまうことはありますが、ジーンズのように分割できないものも単数になることがあるので注意が必要。

例えば、以前このブログでも紹介したフィンランド映画のタイトル『Miss Farkku-Suomi(ミス・ジーンズ・フィンランド)』には、単数系の farkku が使われています。

ここでは形容詞的に farkku を使っているので、単数形になっているのだと思います。

英語の場合、複数形から単数形をイメージするのは簡単ですが、フィンランド語の場合は語形変化を伴うのがやや複雑なところ。

以下に複数・単数の形を比較してみましょう。

フィン(複) フィン(単)
1 farkut farkku ジーンズ
2 housut housu パンツ
3 kengät kenkä
4 käsineet käsine 手袋
5 piilolinssit piilolinssi コンタクトレンズ
6 sakset saksi はさみ
7 silmälasit silmälasi めがね
8 sukat sukka 靴下

 

複⇒単の変化で単に[-t]を外したものは、2・5・7のみ。あとは何らかの語形変化を伴っています。

これは規則性のある変化ですが、「靴下=sukat」で覚えてしまうと、慣れないうちは sukka を見ても sukat の単数形であることがぱっと浮かびません。

このあたりはフィンランド語の少々やっかいな点だと思います。