オランウータンは何語? − 外来語の出身調査

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がいらいご【外来語】
外国語で、日本語に用いるようになった語。狭義では、漢語を除く。伝来語。
『広辞苑』
日本語は外来語の多い言語。
それも英語だけでなく、さまざまな言語がもとになっています。
例えば、以下の単語がもともと何語に由来するのか想像できますか?
- アリバイ
- イクラ
- オランウータン
- 金平糖
- サウナ
- ミシン
これって外来語なの?という単語も含まれていたかもしれません。
今回のエントリーでは、これらの外来語の出身調査を行ってみました。
アリバイ
「アリバイ」は英語の alibi から。
アリバイというと推理小説を連想してしまいますが、もとは法律用語。
なお英語の alibi は、ラテン語の alius ibi(他の場所に)に由来するのだとか。
よってラテン語出身と言うこともできるのかもしれません。
イクラ
「イクラ」はロシア語の икра から。
こちらのサイトで発音を聞いてみるとまさにイクラ。
ただし日本のイクラはサケの卵ですが、ロシアのイクラはあらゆる魚の卵を指すのだそうです。
そうだとすると、キャビアもイクラの一種ということになりますね。
オランウータン
「オランウータン」はマレー語/インドネシア語の orang utan から。
orang は「人」、utan は「森」、orang utan は「森の人」という意味。
この他にマレー語から来た外来語はあるかな?と探してみたものの、ナシゴレンくらいしか見つからず。
しかしナシゴレンは外来語と呼べるほど浸透してはいませんね。(基準は何?と言われると難しいですが。)
金平糖
「金平糖」はポルトガル語の confeito から。
これにはびっくりしました。
「金平」は当て字、「糖」はたまたま音が一致したということなのでしょう。
金平糖は戦国時代にポルトガルから伝わったということですが、今でもポルトガルに行ったら似たようなお菓子があるのでしょうか??
サウナ
「サウナ」はフィンランド語の sauna から。
あるいはフィンランド語から来た唯一の外来語かもしれません。
冒頭の広辞苑の定義に従うなら、ムーミンも外来語と呼んでよいような気がしますが、さすがに固有名詞は違いますか。
サウナの次の候補は案外サルミアッキかもしれません。(100年後くらいには。。。)
ミシン
「ミシン」は英語の sewing machine から。
sewing machine の machine が訛ってミシンという音になったとのこと。
母音が一つずれただけで、何だかかわいらしい単語になりました。
ちょっと道を逸れていたら、ムシンやメシンやモシンとして生きる道もあったのかもしれません。
以上、今回はいくつかの外来語の出身調査を行ってみました。
こうして見ると日本語というのは、ことばの「るつぼ」なのだということがよくわかります。
探してみれば、まだまだ思いがけない由来の言葉があるのかもしれません。
2月 17, 2014 @ 22:39:23
サウナ(sauna)の話
今ではサウナを蒸気浴の部屋又はその建物を指しますが,その昔は「物置小屋」だったとか。
古来フィンランドの建物は tupa という大広間の1室住居から始まり,その周りに台所,穀物乾燥小屋,魚の貯蔵小屋,物置小屋,ビール醸造小屋などが母屋を取り巻いていました。
これらの物置小屋の名前は pirtti とか sauna と呼ばれていて,魚の貯蔵小屋は kalasauna(魚の貯蔵庫)と言っていたそうです。
昔,開拓者は既に住んでいる開拓地の直近の隣人のサウナを借りて居住し,そこから自分の開拓地に出向いて自分の家(と言っても小さなサウナ小屋程度のもの)を建て,完成してから自分のサウナに引っ越して tupa を建て,開墾を続けたのだとか。
ですからこのサウナは,新婚夫婦の愛の巣だったり,子供を産む産室だったりしたので,今でも神聖な場所なのだそうです。
昔私がサウナを作りたいと言ったら,トルコ風呂(今のソープランド)と勘違いして”イヤ~な顔”をされたことを思い出し,コメントしました。 Urpo-Jussi
2月 19, 2014 @ 23:37:15
Jussiさん
おもしろい話をありがとうございます。
なるほど、フィンランドのサウナにはそのような歴史があるんですね。
kalasauna というのは、知らなかったら、魚がサウナに入っている絵を想像してしまいます。それはそれで何だか微笑ましいですね。
サウナを利用するのは温泉に行ったときくらいですが、自宅に作って日常的に使うことができれば、ずいぶんリフレッシュできそうです。東京ではなかなか難しいでしょうか。