雪(ゆき)、霙(みぞれ)、霰(あられ)、雹(ひょう)という漢字の成り立ちについて
「雪」という漢字をじっと見ていたら、雨の下にある「ヨ」はいったい何なのだろう?と気になったので『漢字源』を引いてみました。
雪(ゆき)
ゆき。空から降るゆき。ゆきのように白い。
解字 会意。もと「雨+彗(すすきなどの穂でつくったほうき、はく)」の会意文字で、万物を掃き清めるゆき。
『漢字源』
「ヨ」の部分はもともと「彗(ほうき)」の字だったんですね。
会意文字というのは、漢字の二つの部分のそれぞれの意味を生かした文字。
雪は(ホウキのように)万物を掃き清めるという由来なのでしょうか。これはおもしろい。
調べてみると「雪=掃くことのできる雨」という説も有力みたいですね。
この他、雪の仲間(?)である霙(みぞれ)、霰(あられ)、雹(ひょう)はいずれも「あめかんむり」の漢字。
せっかくなので、それらの成り立ちも調べてみました。
霙(みぞれ)
みぞれ。雨と雪がまざって花びらのように降るもの。
解字 会意兼形声。「雨+音符英(はな)」。
『漢字源』
「霙」は雨の下に「英」。英には「花」という意味があります。霙は雨の花なんですね。
形声文字というのは、二つの部分の片方が意味、片方が音声を表す文字。
会意兼形声というのは、英の部分が「はな」という意味を表すとも言えるし、「エイ」という音を表すとも言えるということなのでしょう。
霰(あられ)
あられ。雨滴が地上近くで急に固まって、ぱらぱらと散ってふるもの。
解字 会意兼形声。「雨+音符散(ぱらぱらとちる)」。
『漢字源』
「霰」は雨の下に「散」。固まって散らばる雨=霰というのはイメージしやすいですね。
雹(ひょう)
ひょう。雨つぶがまるく凍って、雷雨などに伴って降るもの。あられ。
▷ヒョウは、包にひかれた読み方からきたもの
解字 会意兼形声。「雨+音符包(つつむ、まるくまとまる)」。
『漢字源』
「雹」は雨の下に「包」。包には何かを「包む」だけでなく「丸く覆う」という意味もあるとのこと。すなわち雹は丸く覆われた氷雨なんですね。
以上、今回は雪(ゆき)、霙(みぞれ)、霰(あられ)、雹(ひょう)という漢字の成り立ちについて、まとめてみました。
季節外れの雪など降らなければよいのですが。